偽装事件から10年No.2

この事件を受けて我々がしなければいけないことは,信頼回復です。

そうであるはずですが,社会は別の方向へと動いていきます。「偽装した人への追及」マスコミをはじめとする社会一般の人の行動としては当然でしょう。

不思議だったのは,国土交通省の発表で,偽装があったことともに,審査漏れがあったことを発表したことです。

偽装設計を見抜いた民間の審査機関は第一発見者です。すでに複数の偽装設計があったにもかからわず誰も気づかなかったことを最初に見抜いた技術レベルの高い審査担当者を持っていた審査機関です。

審査漏れが大きくクローズアップされて,その審査機関は閉鎖されてしまいました。

事件後,建築主やマンション購入者からこの事件による損害請求の中で,確認申請を審査した行政を相手取って訴訟をしますが,一貫して,審査漏れに対する責任はないことを主張し裁判もそれを受け入れています。

審査漏れがあったこと自体は事実ですから,その審査機関の責任追及をするのは,損害賠償を応じる覚悟でしていることかと当時は思っていましたが,結果としてはそうではなかったです。

第一発見者の審査機関を閉鎖することが,何のために必要だったのか,それが信頼回復のための第一歩になったのか,私にはわかりません。

WordPress奮戦記2

10月半ばに新URLを取得して,WordPressで新HPを作り始めた。

「いちばんやさしいWordPressの教本」を読んでそのとおりに作ればいいというような単純なものではなかった。

「教本」が示しているのは,花屋のHPをWPで作るという想定で,花屋の紹介や店の場所などを示し,ブログ的に催し物を案内するというものである。

私が作ろうとしているHPは,トップページが大きな目次のようなもので,目次の1項目をクリックしたらその解説になっているもの。そこからさらにキーワードをクリックして次の解説へと進める。

こういうページを作ろうとした場合,「教本」が示すWPの標準的な作り方ではうまくいなかいのだ。何がうまくいかないかというと,サイドバーをページごとに選べないことである。トップページのサイドバーとクリックで進んでたどり着いた解説ページのサイドバーとでは異なる必要がある。

WPの機能を探しているうちに,トップページのサイドバー,固定ページのサイドバー,共通のサイドバーと3種類に使い分けられることがわかったので,これを利用した。しかし,これでも足りない。

そこで,解説ページでは,WPのサイドバーを外して,自分で作ることにした。

HTMLで左領域70%と右領域30%を設定して,右のサイドバーを作った。「はじめての無料でできるホームページ作成」とWEB上のHTML5レファレンスを見ながら試行錯誤した。

ここまでできたのが10月末で,トップページといくつかのページを作って,11月1日に新HPのスタートとした。

現在,やっと「構造材料の特性と品質」の大半が新HPに移行できた。全部のページを移行できるのはもう少し先になりそう。

 

偽装事件から10年

姉歯事件,構造計算書偽装事件から10年が経ちました。

10年前の11月17日は,事件を国土交通省が発表した日です。

職能集団としての信頼性を傷つけるもので,その信頼回復にその後の長い時間を費やすことになりました。信頼回復のために出された法改正は,あまりにも厳密過ぎて,日本の経済活動を低下させるほどの影響を与えた,それほど抜本的な改正でした。

それを修正するために緩和の改正もありましたし,今年の6月には,確認申請を構造適合性判定申請を切り離す改正もありました。その意味で,偽装事件の対応処理は今も続いていると言っていいでしょう。

この10年間,建築の中にいる者として,私も取り組んできました。翻弄されてきたという面もありますが,決して翻弄されただけではありません。

事件を聞いたその日の夜から構造設計の勉強を始めました。それまで,断片的に構造の知識はありましたが,偽装設計ということが起こりうるものであり,それを見抜かねばならないとなると,習得しておくべき知識量が格段に違うからです。

あれから,10年が経ちましたか。構造。奥の深い世界です。少しずつは,今も取り組んでいます。信頼回復とはそういうことの積み重ねなんだと思います。