足場の落下事故と防止に関する法規制

<足場の落下事故と防止に関する法規制>

平成28年10月14日に東京都港区六本木の既存建物の改修工事の現場で足場の解体中に足場のパイプを落としてしまい,通行中の第三者を死亡させる事故がありました。
こうした事故に対する法規制がどのように定められているかをまとめてみました。


「足場の規制」と言えば,労働基準監督署の所管だろうと思いますが,労働基準監督署は解体作業や工事を行う作業員の安全を守ることが主目的でして,工事現場のすぐ近くを歩いている第三者の安全を守ることは主目的ではないようです。誤解があってはいけないので,足場の資材を落下させてしまえば,そこにいる作業員への危険も生じますから指導監督の範囲内ですし,落下の危険性について作業員と工事現場のそばを通行する第三者とを区別しているものではないことを加えておきます。
工事によって生じる隣家や通行人への危害防止は,実は,建築基準法で規定されています。
それだけではなく,建設業法にも規定がありますし,作業員を守ることが主目的とはいえ,労働安全衛生法に基づく労働安全衛生規則で足場の安全性についての規定があります。したがって,「足場の落下による隣家や通行中の第三者に対する危害防止の法規制」は,建築基準法建設業法労働安全衛生規則の3つで連携して規定しているといえます。

詳しくは,〈事故防止・安全管理・危機管理〉にまとめています。

上のページでは,隣家や通行人への危害防止全般について書いています。足場の解体中の資材の落下による危害防止についてならば,

建築基準法では,

施行令第136条の5第2項と第136条の7

建設業法では,

建設業法第28条第1項第1号「建設業者が建設工事を適切に施工しなかつたために公衆に危害を及ぼしたとき、又は危害を及ぼすおそれが大であるとき。」の営業停止など

労働安全規則では,

計画の届け出,作業主任者の選任,足場の安全基準の3つで,足場の安全基準としては,例えば,「組立て、解体又は変更の作業を行う区域内には、関係労働者以外の労働者の立入りを禁止すること。 」

と規定されています。

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