日本工業規格又は日本農林規格に適合するものとは?

<日本工業規格又は日本農林規格に適合するものとは?>

指定建築材料〉の告示(H12告示第1446号)で,特定の品質の規定の中に,「大臣の指定する日本工業規格又は日本農林規格に適合するもの」との定めがあります。この「日本工業規格又は日本農林規格に適合するものとは何か」が,議論になることがあります。「適合すること」の意味を,

  • JIS(JAS)マークのついたJIS(JAS)材でなければいけない(つまり,JIS規格品,JAS規格品)
  • 品質などがその規格に適合していればいい

の,どちらであるのかが問題で,前者の「JISマークのついたJIS材でなければいけない」と思い込んでいる人が多いです。でも,答えは,後者の「適合していればいい」です。法律の文面を素直に読めばそのように読めますし,そうであることは,例えば,「平成19年6月20日施行 改正建築基準法・建築士法及び関係政省令等の解説(国土交通省住宅局建築指導課監修)」の法第37条を解説したページに書いてあります。また,「2015年版建築物の構造関係技術基準解説書」にも同じ意味の解説が書いてあります。

<公共工事は規格品の使用が求められる?>

上記のように,建築基準法上ではJIS規格に適合すればいいのであってJIS規格品であることの義務付けはありませんが,国土交通省の「公共建築工事標準仕様書」の適用のある工事(平たく言えば公共工事)はJIS規格品であることが求められていると思っている人が意外に多いです。

でも,同仕様書では,1.4.2材料の品質等で,「品質及び性能を有することの証明となる資料を提出する」となっており,例えば鉄筋では5.2.1鉄筋でJISの記述がありますが,「その性能が証明できる資料が提出できればいい」のです。例えば,生コンであれば6.2.1でⅠ類とⅡ類に分かれていて,Ⅰ類がJIS規格品でⅡ類が適合するものですから,明確にJIS規格品でないものを許容しています。

ただし,特記仕様書で「JIS規格品」を指定している場合がありますので,その場合は従わなければいけません。

<JIS規格品を使うか,JISへの適合材を使うか>

鉄筋や鉄骨はJIS規格品が一般に流通していてミルシートなどで管理されますのでJIS規格品以外を使うことはないでしょう。生コンもJIS認定工場が充実していますからJIS規格品以外を使うことはほとんどありません。例外的なことですが,大規模工事では,生コンを現場で作ることがあって,現場の生コンプラントをJIS工場として認証するわけにいきませんから,JIS規格材ではない生コンを使うになります。この場合の品質の確認は,施工者と工事監理者が自分で行うことになります。

<適合していることを示すには?>

適合していることをどうやって示すのか。どこまですれば適合していることを示したことになるのか。

実は,これが大きな問題です。「作成中」としておきます。

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ちょっと解説

「JIS規格品」の定義。

基準法上では,JISに適合すればいいのであって,規格品であることを求めませんから,「JIS規格品」という用語は使われていません。「JIS規格品」という用語は,例えば,「学会標準仕様書JASS6鉄骨工事」で次のように定義されています。

「製造業者がJIS規格に該当していることを保証した製品であって,その製品または荷札などに種類の記号(例えばSN400B)を表示し,かつ,規格品証明書が添付されている製品を言う」

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このページの公開年月日:2013年8月20日