生コンで回収骨材使用は不可(平成28年6月品質規定告示改正)

<生コンで回収骨材使用は不可(平成28年6月品質規定告示改正)>

レディミクストコンクリートの品質は2003年のJISA5308に適合していなければいけないことが,法第37条とH12告示第1446号で規定されています。でも,JISA5308の最新は2014年版であり,その時に規定された回収骨材の扱いがどうなのかが気になっていました。〈JIS規格の改正の扱い〉で記載したように,新たに規定された回収骨材は,素直に読めば緩和であり,法は2003年のJISへの適合を求めている以上,回収骨材は適合しないとなるはずで,でも,「2014年版で回収骨材の扱いを明文化しただけであり,それ以前に禁止していたわけではない」とする考え方もあって,私の中で混乱していました。

このことに,結論が出ています。

H12告示第1446号が平成28年6月13日付けで改正されて,適合させるJISが2014年版に変わりました。

しかも,

「JISA5308(レディミクストコンクリート)-2014(回収骨材を使用するものを除く)

となっています。なんと,最新のJISを指定してなおかつ回収骨材を排除しています。これで,私の混乱も解決しました。回収骨材を使用して作った生コンは,建築物の主要構造部に使用することが禁止されています。

これではっきりしたとはいうものの,2014年改正以後の生コンがどのように扱われるのかは大きな問題です。2014年のJIS改正の回収骨材の部分は緩和規定であり,その時点では2003年のJISへの適合を求めていたのですから緩和規定は無効で,次の告示改正で回収骨材を排除したのですから,普通に考えて,緩和規定は適用できない,つまり,回収骨材の使用はもともと禁止されていたとなります。とするならば,大きな問題があります。この2年間,回収骨材を使用した生コンは使用されなかったということでしょうか。ここから先は,私にはわかりません。生コンを製造する側は最新のJISで製作することが義務付けられており,回収骨材の使用が認められているのですから,特に指定されない限り回収骨材の使用を意識しなかったはずですし,発注する側も回収骨材の使用が禁止されていることを気づかなかった人もいたと思われ意識することなく発注したものもあるはずです。そうすると,だれも気付かぬままに回収骨材を使用して建設された建物があったことになります。

想像しただけで恐ろしいことです。

これ以上のことは私にはわかりません。

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備考

私が回収骨材の使用の問題に気付いたのは,〈JIS規格の改正の扱い〉で記載したように2016年4月です。JIS上で回収骨材が使用できるようになったことは,2年前に報道情報として,例えば「回収骨材の利用に道開く」などで知りましたから,この時点で建築基準法の告示が改正されておらず回収骨材の取り扱いについては建築基準法上は禁止され続けるなどとは思っていませんでした。

回収骨材の使用を禁止する理由は,「パブリックコメントへの結果公示」でわかります。これによれば,「建築材料として使用する場合における管理方法等の知見が得られていないため」としています。また,「改正の対象にはしなかった」とありますから,この告示改正で禁止したのではなく,もともと禁止していたこともわかります。

備考

H12告示第1446号の改正で,これまでJISA5308にあるエコセメントを禁止していたものを,解除しています。


鉄筋コンクリート基礎構造部材の耐震設計指針(案)・同解説


鉄筋コンクリート構造計算規準・同解説

↑2018年の最新版です。

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このページの公開年月日:2016年6月18日