コンクリート

<コンクリート>

躯体としてのコンクリートは固まったものを言いますが,コンクリートの品質を考える上では生コンから考える必要があります。

注:コンクリートミキサーの中の固まっていないコンクリートのことを一般名称としては「生コン」と言いますが,JIS上の正式名称は「フレッシュコンクリート」です。

注:「レディーミクストコンクリート」とは,整備されたコンクリート製造設備を持つ工場から,荷卸し時点における品質を指定して購入することができるフレッシュコンクリートのことです。

<JISA5308で規定していること>

生コンの品質を規定したのが,JISA5308です。JISA5308で規定していることはたくさんありますが,「呼び方」から入るのがわかりやすいです。

これは,現場にどんな生コンを持ってこさせるのかを具体的に示すものです。例えば,

「普通 21 18 20 N」と書けば,

①コンクリートの種類が,普通コンクリート

②呼び強度が,21.0N/mm2

③スランプが,18cm

④粗骨材の最大寸法が,20mm

⑤セメントの種類が,普通ポルトランドセメント

という意味です。

①のコンクリートの種類は,「普通コンクリート」「軽量コンクリート」「舗装コンクルート」「高強度コンクリート」の4種類がありますが,建築分野であれば「普通コンクリート」以外を使うことはほとんどないと思います。

②の呼び強度は,固まった時のコンクリートの強さで,もっとも重要な要素と言っていいでしょう。構造設計で決まった設計基準強度で呼び強度を決定します。設計基準強度と呼び強度の関係はこちら〈設計基準強度と呼び強度〉を見てください。

③のスランプは,生コンのやわらかさを示すもので,大きい方が柔らかく流れやすいコンクリートです。建築分野では,上部構造では18,基礎では15(または18)を指定します(国土交通省監修の標準仕様書に規定)。

④の粗骨材の最大寸法は,20㎜を使うことが多いです(同標準仕様書で「砂利は25㎜,砕石は20㎜」と規定)。

⑤のセメントの種類は,建築分野であれば通常「普通ポルトランドセメント」以外を使うことはないと思います。

<JISで言う呼び強度の意味>

「呼び強度 21」とはどういうことかを解説します。

呼び強度自体には単位がついていませんが,JIS中の「4 品質」の注意書きに,「小数点以下に0をつけて,N/mm2で表した値」とあるので,21とは「21.0N/mm2」という意味です。そして,生コン工場は呼び強度が出るように生コンを作らなければいけません。「呼び強度が出る」という意味は次の通りです。

判定基準:1回の強度試験の結果が,呼び強度の85%以上であり,かつ,3回の強度試験の結果の平均が呼び強度以上であること

供試体の材齢:28日 ←指定により変更できるが,変更することはほとんどない。

供試体の養生方法:常温で水分が蒸発しないようにしたもの(9.2.1)。具体には,養生温度は,20±2℃で,水中または湿潤な状態に置く(9.2.1でJISA1132を指定していて7b)に書いてある)。

試験頻度:150m3に1回。ただし,1回の試験結果は,任意の1運搬車から採取した試料で作った3個の供試体の試験値の平均値

「呼び強度 21」とは,上記の試験に合格する生コンということです。試験結果が出るのは28日後であるため,上記の試験に合格するかしないかは生コンの時点ではわからないのですが,合格できるだけの品質管理を生コン工場(通常,JIS認定工場)によって行われた生コンという意味です。

<強度以外の品質>

生コンの強度以外の品質については〈コンクリートの強度以外の品質〉を見てください。

2016年6月の告示改正で〈生コンで回収骨材使用は不可(平成28年6月品質規定告示改正)〉となっています。


上記は,コンクリートの素材としての品質を説明したものです。

現場ではこれを踏まえて,〈設計基準強度と呼び強度〉の関係を使って,発注図に書いてある設計基準強度をもとに適正な呼び強度の生コンを打設し,〈打設されたコンクリートの強度の監理方法〉を使って,目的の強度が発現したことを確認(発注者に示す)することになります。この強度発現の管理方法は,国の標準仕様書で規定されたものですが,最低基準である法令上の規定については〈設計基準強度と実コンクリート強度・法令上の規定〉を見てください。





強度が出る

生コンを現場に搬入して現場で型枠に流し込めば4週間後に目的とした強度が出ます。第三者的な言い方をすれば「4週間後に強度がでます」となるのですが,生コンを生産する側に立てば,4週間後に目的の強度を発揮できるように調合しなければいけないのです。

コンクリートの関連情報
設計基準強度と呼び強度

構造体強度補正値
構造体強度補正値で実際の気温が外れたらどうなる?

打設されたコンクリートの強度の監理方法
設計基準強度と実コンクリート強度・法令上の規定
コンクリートの強度以外の品質
生コンで回収骨材使用は不可(平成28年6月品質規定告示改正)

関連情報
鉄筋の品質
コンクリートの品質
型枠の品質
鋼材(炭素鋼)の品質
鋼材(ステンレス鋼)の品質
ボルト・高力ボルト・アンカーボルトの品質
あと施工アンカー
_杭_

全国のJIS工場

全国のJIS工場の一覧を出すことはできませんが,全国生コンクリート品質管理監査会議が品質に関する適合制度を運用していて,適合する工場の一覧を公開しています。

○適マーク承認工場リスト

JISA5308の改正

平成26年3月20日にJISA5308が改正されています。

レディーミクストコンクリートのJISを改正

余った生コンから粗骨材と細骨材を取り出してもう一度使う方法が規定されました。





鉄筋コンクリート基礎構造部材の耐震設計指針(案)・同解説


鉄筋コンクリート構造保有水平耐力計算規準(案)・同解説

このページの公開年月日:2012年6月

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