<ホームエレベータと小型エレベーター>
3人乗りの小さなエレベーターがあって,ホームエレベーターとか小型エレベーターと呼ばれています。
ホームエレベーターと小型エレベーターは,見た目はほとんど同じですが法律の適用が違います。
それぞれの法適用は次の通りです。
<小型エレベーター>
令第129条の5第2項のただし書きで規定される積載荷重の条件をただし書きのカッコ内の「大臣が定める数値」を適用して適用除外。
除外できる条件として,H12告示第1415号第3号を適用。
<ホームエレベーター>
小型エレベーターとして荷重条件を緩和していることに加えて,
令第129条の3第2項第1号に基づき複数の規定を適用除外。
除外できる条件として,H12告示第1413号第1第6号を適用。
この中に,「かごが住戸内のみを昇降する昇降行程が10m以下のエレベーター」との条件がある。
詳しくは,条文を見ていただきますが,
小型エレベーターでは,積載荷重の条件を緩和しただけであり,住戸内のみという条件がなく,
ホームエレベーターでは,緩和規定が多い代わりに住戸内のみという条件があります。
ところで,「小型エレベーター」「ホームエレベーター」という用語は,法律用語ではありません。これらを法律用語に置き換えると,
小型エレベーター:令第129条の5第2項のただし書き内カッコ書きの用途が特殊なエレベーターで大臣が定める数値を使うためにH12告示第1415号第3号を適用したエレベーター
ホームエレベーター:小型エレベーターのうち,令第129条の3第2項第1号の特殊な構造または使用形態のエレベーターで,同号に列記する条文を適用除外するためにH12告示第1413号第1第6号を適用したエレベーター
となります。
小型エレベーターとホームエレベーターを設計図書で区別する方法は,昇降機に適用される政令の基準の内,令第129条の5第2項ただし書きの荷重条件のみを緩和しているかどうかで区別します。荷重条件のみを緩和しているエレベーターが小型エレベーターで,それ以外の条件も緩和しているのがホームエレベーターです。
見た目の違いは,かごの壁の一部に可燃材(プラスチック)が使われているのがホームエレベーターで全部難燃材であるのが小型エレベーターです。
小型エレベーターの用途条件
小型エレベーターのカタログを見ると,寺院や小規模福祉施設など用途を限定していますが,これは業界の自主規制です。自主規制だから守らなくてもいいと考えるかどうかは設置者の判断によりますが,通常,守らなくてもいいとは言えないでしょう。
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このページの公開年月日:2017年2月5日