<増改築の構造計算への構造計算適合性判定の拡大(2015年6月施行)>
改正以前は,法第20条の既存不適格建築物に増築設計をする場合は,法第86条の7の緩和規定により,施行令第137条の2に適合させれば建物全体が現行の法第20条が適用除外され,このことによって,構造計算適合性判定が免れるようになっていました。
これを改めて,増改築でも構造計算適合性判定の対象となるようにしたものです。
「特定増改築構造計算基準」という用語が新設されて,この基準で設計された確認申請については構造適合性判定が必要になりました。根拠は改正法の第6条の3第1項です。
法第6条の3第1項「特定増改築構造計算基準」:第3条第2項(第86条の9第1項において準用する場合を含む。)の規定により第20条の規定の適用を受けない建築物について第86条の7第1項の政令で定める範囲内において増築若しくは改築をする場合における同項の政令で定める基準(特定構造計算基準に相当する基準として政令で定めるものに限る。)
政令第137条の2 法第3条第2項の規定により法第20条の規定の適用を受けない建築物(同条第1項第一号に掲げる建築物及び法第86条の7第2項の規定により法第20条の規定の適用を受けない部分を除く。第137条の12第1項において同じ。)について法第86条の7第1項の規定により政令で定める範囲は,増築及び改築については,次の各号に掲げる範囲とし,同項の政令で定める基準は,それぞれ当該各号に定める基準とする。
第1号~第3号
政令第9条の2 法第6条の3第1項本文の政令で定める基準は,第81条第2項又は第3項に規定する基準に従った構造計算で,法第20条第1項第2号イに規定する方法若しくはプログラムによるもの又は同項第3号イに規定するプログラムによるものによって確かめられる安全性を有することとする。
つまり,増改築の場合でもその一部の検証に,ルート2,ルート3を用いる場合は,構造計算適合性判定が必要とするものです。
ただし,法第6条の3第1項ただし書きで「確認審査が比較的容易にできるものとして政令で定めるもの」については,建築主事による審査が可能ですから,ルート2については不要です。根拠は政令第9条の3です。
政令第9条の3 法第6条の3第1項ただし書の政令で定める特定構造計算基準及び特定増改築構造計算基準並びに法第18条第4項ただし書の政令で定める特定構造計算基準及び特定増改築構造計算基準は,第81条第2項第二号イに掲げる構造計算で,法第20条第1項第二号イに規定する方法によるものによって確かめられる安全性を有することとする。
※ 既存建築物に増築する場合,ほとんどはエキスパンションジョイントで構造分離して設計するのですが,増築部分の設計をルート3でしても建物全体が既存不適格を継続して現行の法第20条が適用除外になりますから,これまでは構造適合性判定が必要なかったものです。
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このページの公開年月日:2016年3月21日