既存部分,増築部分

<既存部分,増築部分>

建築基準法の難解なものである既存不適格や遡及適用については〈いつの建築基準法が適用されるか(既存不適格,遡及適用)〉で説明しましたが,これを理解するにあたって,

増築工事を行う建築物

増築工事を行う建築物の増築の部分

増築工事を行う建築物の既存部分

この3つをどのような用語に当てはめているかがわかっている必要があります。

既存不適格建築物は,工事をしないかぎり既存不適格であり続けますから,遡及適用を考えなければいけなくなるのは増築などの工事をするときなのですが,条文の記述が「既存部分を対象としている」のか「増築の部分を対象としている」のかが区別できにくいのです。

法文上の用語 既存部,増築部の別 備考
「増築に係る建築物」(法第3条第3項)

「増築後の建築物」(法第86条の7第1項)(令第137条の2第1号)

既存部分,増築部分を合わせた建築物全体  2つの用語は同じ意味
「増築に係る部分」(令第137条の2第1号) 増築工事により増床される部分
「増築をする部分以外の部分」(法第86条の7第3項)

「増築に係る部分以外の部分」(令第137条の2第1号)

増築に係る建築物の既存部分  2つの用語は同じ意味

上記のように,同じことを言っているのに2つの用語が使われています。読みにくいはずです。統一してほしいです。

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このページの公開年月日:2016年5月23日