<型枠施工の技能士が型枠工事ができない?>
下記の枠内は,2014年9月に書いたものです。2015年4月の改正建設業法施行で解消されています。
型枠施工の一級技能士が得ることのできる建設業の種類に「大工工事業」が追加されたことによって,型枠工事が可能になりました。「ならば,改正前はできなかったのか」との疑問はありますが,そのへんのところは私にはわかりません。
技能士資格で建設業許可をとる場合に,取得可能な建設業の種類は,建設業法施行規則第7条の3「建設業法施行規則」に書いてあります。型枠施工の一級技能士が得ることができる建設業の種類は「とび・土工工事業」です。
建設業の種類でどんな工事ができるかは,建設業法別表や告示や通達に記されています。一覧にしたもの「建設工事の種類,建設工事の内容,建設工事の例示及び許可業種の区分」で見ることができます。これによれば,とび・土工工事業でできる工事は,土工事や杭工事やコンクリート工事であって,型枠工事がありません。
型枠工事ができるのは,上記一覧表によれば「大工工事業」で,大工工事業を取得したい場合の資格は建設業法施行規則第7条の3で建築大工の一級技能士などであって,型枠の技能士では大工工事業をとることはできません。
以上のことから,一見すると,「型枠施工の技能士が型枠工事をしようと思っても,許可を得たとび・土工工事業では型枠工事ができない」と読めてしまいます。
でも,型枠施工の技能士が建設業法の許可を取ったのに,できるのは土工事などであって型枠工事ができないなど,どう考えてもおかしいですね。
答えは,できます。
とび・土工工事業の建設工事内容に「コンクリートにより工作物を築造する工事」があります。コンクリート工作物を作るためには型枠を作らなければできませんから型枠工事はこれを根拠として認められているそうです。
余談ですが,型枠施工の一級技能士でとび・土工工事業をとった人が型枠施工ができるのは上記の理由でいいとして,法令上は土工事や杭工事や足場等仮設工事もできてしまいます。これは法律の作り方がそのようになっている以上,そうなのだと思います。
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このページの公開年月日:2016年1月17日