解体工事の建設業許可の要否

<解体工事の建設業許可の要否>

解体工事を業として行いたい場合に建設業許可が必要でしょうか

前提として,建物を壊すものとします。

請負金額500万円未満の解体工事については建設業の許可は必要ありませんが,以上であれば「解体工事業」の許可が必要です。総合的な企画調整を必要とする解体工事であれば「建築工事業」が必要です。500万円未満の解体工事では建設リサイクル法の「解体工事業者」の登録が必要です。

解体工事業の制度は2016年6月からはじまりますが,これまでとび土工事業で解体していた業者の経過措置は認められています。

解体工事業が追加されたことによる変更は次のとおりです。

解体工事業:工作物の解体を行う工事

とび・土工工事業:足場の組立て,機械器具・建設資材等の重量物の運搬 配置,鉄骨等の組立て,工作物の解体等を行う工事

土木工事業・建築工事業に変更はない

解体工事業における「工作物」とは「土木工作物」と「建築物」のことです。解体工事業を創設したときの国土交通省のパンフレットはこちら「建設業許可等に係る改正事項について(平成28年6月1日)」です。改正後の各工事区分表はこちら「建設工事の例示及び区分の考え方」です。


以下の枠内は,2014年9月に書いたものです。2016年4月の建設業法改正施行で「解体工事業」が加わったことにより明確化されました。

建設業法第1条で「建設業を営む者の資質の向上,建設工事の請負契約の適正化等を図る」という手法を用いて,「発注者の保護と建設業の健全な発展を促進」という目的を達する,とあります。この建設工事の中に解体工事を対象としているかどうかがポイントです。まず,建築一式工事以外であれば,請負代金が500万円未満の工事であれば建設業許可を必要としない(建設業法第3条第1項ただし書き,同施行令第1条の2)とありますので,解体工事でも500万円未満の工事しか請け負わない業者であれば建設業法の許可は必要ありません。

では,解体工事の請負代金が500万円以上であればどうなるのでしょうか。それは,「建設工事」という定義の中に,解体工事が含まれているかどうかを考えることになります。「建設工事」は,建設業法第2条第1項で「別表第一の上欄に掲げるもの」と定義され,別表第一では,28種類の工事が列記されています。この28種類は,「土木一式工事」「建築一式工事」「大工工事」などで,いずれも物を作る工事を対象としたもので,壊してなくしてしまうことを対象とはしていません。

したがって,日本語で書いてある建設業法を素直に読む限り,建設工事の定義である28種類に物を壊すことを含めていない以上,「建設業法の許可は必要ない」となります。


しかし,世の中は必要なものとして扱われています。建設リサイクル法の解説が国土交通省や,各都道府県から出されていて,解体を業とする場合は,建設リサイクル法の登録が必要(建設リサイクル法第21条)であることを解説した部分に「500万円以上の解体を請け負う場合は,建設業法の許可が必要である」ことが記されています。許可業種は,「土木工事業」「建築工事業」「とび・土工工事業」のいずれかであることも書いてあります。

解体工事に建設業許可を必要としている根拠は,私の想像ですが,「昭和47年建設省告示第350号」の「土木工事業」「建築工事業」「とび・土工工事業」のところにカッコ書きで「解体等の工事を含む」としていることだと思います。「解体を含むとした以上,解体工事も建設業法の対象となる」との考え方なのですが,この告示の規定は,解体した後に建設する場合の解体を対象としたものだと考えるのが自然でしょう。それでも,「含むとした以上,解体も含むのだ」との読み方も可能ではありますが,この規定を根拠とするなら,土木工事業で解体できるのは土木構造物に限られますね。しかも総合的な企画調整を必要とする解体工事のみです。一方,建築工事業で解体できるのは総合的な企画調整を必要とする建築物のみです。とび・土工工事業では,土木構造物も建築物もどちらも解体できますが,総合的な企画調整を必要としない解体工事だけです。という解釈になるのですが,私の知る限り,土木工事業で建築物の解体ができないとの扱いはしていないはずです。

私は,建設業法は素人ですので,これ以上はわかりません。建設リサイクル法第21条には,「解体工事業を営もうとする者」のカッコ書きに「土木工事業,建築工事業又はとび・土工工事業に係る同法第3条第1項の許可を受けた者を除く」と書いてありますから,この法律の制定では,解体工事に建設業許可が必要であることを前提としたことがわかります。





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このページの公開年月日:2016年1月17日