営業所に置く専任の技術者と主任技術者・監理技術者の関係

<「営業所に置く専任の技術者」と「主任技術者・監理技術者」の関係>

営業所に置く専任の技術者〉と〈主任技術者・監理技術者〉についてはそれぞれで説明した通りですからそれぞれのページを見てもらうことにして,ふたつの関係を説明します。

一般建設業も特定建設業も営業許可を受けるときに,専任の資格者を置かねばならないことになっています(法第7条第二号,法第15条第二号)。そして,契約したそれぞれの工事において施工技術上の管理をつかさどるものとして〈主任技術者・監理技術者〉を置かねばならないことになっています(法第26条)。前者の〈営業所に置く専任の技術者〉と後者の〈主任技術者・監理技術者〉は,資格条件が一致していますから,

営業許可で置いた専任の技術者が,それぞれの工事において資格者として「主任技術者・監理技術者」となって施工技術上の管理をするのだ。

と思います。

営業所に置いた資格者は何をするのかと言えば,それは当然に工事がきちんと行われることのために仕事するのです。私は建設業法を読んでそのように思うのですが,〈営業所に置く専任の技術者〉と〈主任技術者・監理技術者〉の関係について国土交通省から通達が出ています。

営業所における専任の技術者の取扱いについて(国総建第18号平成15年4月21日)

これによれば,専任の技術者は「営業所に常勤して専らその職務に従事する」ことを前提としたうえで,主任技術者・監理技術者になることのできる条件を示しています。条件とは,

「工事現場の職務に従事しながら実質的に営業所の職務にも従事しうる程度に工事現場と営業所が近接,かつ,常時連絡をとりうる体制にある」

です。この通達の考え方には,営業所の職務と現場の主任技術者・監理技術者の職務は別のものであるとの考えが含まれています。

実は,このことをもって,「営業所の専任の技術者が現場の主任技術者・監理技術者になることを禁止」する人がいます。「営業所の専任の技術者は営業所に常勤しなければいけないから現場に出て工事をしてはいけない」というわけです。でも,もしも禁止であるならば,いわゆる「ひとり親方」だった場合には,工事ができないことになってしまいます。許可はあってもいざ工事をしようと思ったら専任技術者以外の主任技術者をつけなければいけませんから,自分しか資格者がいない「ひとり親方」は工事ができなくなってしまいます。


法令上は,営業所の専任の技術者が現場の主任技術者・監理技術者になることを禁止してはいません。営業所の専任の技術者は営業所に常勤しなければならないという条文に基づく近接などの条件次第です。

近接の定義については,例えば岐阜県では取り扱いを定めて公開しています。

技術者の配置について」(岐阜県,平成26年2月12日県土整備部建設政策課)

上記によれば,「概ね半日程度で現場の職務を終え,営業所へ帰着することができること」となっています。岐阜県では「ひとり親方」であっても,半日程度は現場で工事ができます。

上記は岐阜県の取扱いですが,極端な話として「うちの自治体では近接とは営業所から100m以内である」との方針だったらどうなるのでしょうか。このあたりのことは,建築士の必要知識から離れるものと思っています。そもそも,技術者が自分一人しかいない会社で工事ができるのかできないのか,近接しているところならできて近接とはどの範囲か,などは,建設業を許可した機関と許可された人との関係で明確にされているべきものです。建築士が立ち入る問題ではありません。





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このページの公開年月日:2013年7月