<建築基準法の強化の歴史>
建築基準法は,昭和25年に施行され,その後たびたび改正されて強化され続けている。
それは,地震を含む災害の発生や,事件事故のたびに改正されてきた歴史でもある。
右の写真は,昭和45年と平成28年の建築基準法を並べたもの。
<事件事故と基準法改正(構造関係以外)>
昭和25年の基準法制定以後の改正の概略は次の通り。
改正の施行年 | 規制強化内容 |
昭和34年 | 耐火建築物・簡易耐火建築物制限(法第27条)
内装制限(法第35条の2) |
昭和44年 | 階段のたて穴区画(熱感知連動自動閉鎖)(施行令第112条)
2以上の直通階段の重複距離の制限(施行令第121条) |
昭和46年 | 排煙設備(施行令第126条の2)
非常用照明(施行令第126条の4) 非常用進入口(施行令第126条の6) |
昭和49年 | 竪穴区画の煙感知連動自動閉鎖(施行令第112条) |
昭和51年 | 仮使用承認制度(法第7条の6)
安全計画届出制度(法第90条の3) |
事件・事故が改正の契機となったものとしては,
○ 昭和47年千日デパートビル火災
○ 昭和48年大洋デパートビル火災
を契機として昭和51年に「仮使用承認制度」及び「安全計画届出制度」の創設がある。
<地震と基準法改正(構造関係)>
構造関係規定の改正と地震との関係は次の通り。
「地震と建築基準法(平尾建築HP)」「木造住宅耐震基準の変遷(ホームズ君のよくわかる耐震)」
○ 1968年の十勝沖地震でコンクリート柱がせん断破壊が目立ったから3年後にせん断補強筋を強化
○ 1978年の宮城県沖地震でその3年後に新耐震設計法
○ 1995年の阪神淡路大震災でその5年後に木造の金物規定やバランス計算
など。