Ⅰ 構造力学(法則・基本的な考え方)
②作用,反作用の考え方<ニュートン力学第3法則>
「作用,反作用の考え方」をどう理解するか。また,どう説明するか。
「作用,反作用」は机の上に物を置いて,それがなぜ止まっているかを説明するために必要な考え方です。このテーマは「物には重力が作用していて,下向きの力が作用しているのに,机の上にあるものはなぜ止まっているのか」というものです。
「なぜって言われたって,机が邪魔しているから」です。「いちいち作用,反作用の考え方を出すまでもなく,下へ行こうとしても机がしっかりしているから下へは行けない」のです。これで思考が止まってしまっては構造力学が習得できません。
i 物に重力として下向きに力がかかっている
ii 物が机をiの力で押している(作用する力)
iii 机が物に反力を作用させる(反作用)
ここで,iiはその物に作用している力ではありません。その物に作用している力はiとiiiです。iとiiiは同じ大きさで上下反対の力ですから,力を合計するとゼロになります。物には力が作用していないのと同じで,力が作用していないとニュートン力学第1法則で動かない。となります。
ニュートン力学第3法則についての説明は,例えば次のHPがわかりやすいです。
水平な机の上に球を置いて作用反作用を説明したら,その次は,勾配のある机に球を置きます。球に作用する重力を机に平行な方向と机に垂直な方向に分解して,机に垂直な力は机からの反作用で打ち消されますから,球に作用するのは平行な方向の力だけです。この結果球は机に平行に動き出すことがわかりますし,その加速度は,机の傾きθを使ってsinθ倍であることがわかります。
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<構造設計の関連情報>
Ⅰ 構造力学
〈構造力学(法則・基本的な考え方)〉
〈構造力学(解法1)〉
〈構造力学(解法2)〉
〈トラス構造解法の補足〉
〈CM0Q算出の仕組み〉
〈梁理論の補足〉
Ⅱ 構造躯体として使われる材料の特性
〈材料力学〉 〈種々の構造材料の品質等〉
〈構造材料の許容応力度等〉
〈コンクリートの許容応力度等〉
〈鉄筋の許容応力度等〉
〈鋼材(炭素鋼)の許容応力度等〉
〈高力ボルトの許容応力度等〉
〈あと施工アンカー1本あたりの許容耐力など(H13告示第1024号による)〉
〈形によって決まる許容応力度〉
〈構造の仕様書的規定〉
Ⅳ 建築構造安全性判定手法
〈建築構造安全性判定手法〉
〈構造体をモデル化する手法〉
〈構造解析で算出された存在応力を割り増しするルール〉
〈既存建物の耐震診断と耐震改修〉
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このページの公開年月日:2015年5月10日