<コンクリートの許容応力度等>
コンクリートの許容応力度は,建築基準法施行令第91条及びH12告示第1450号と学会規準第6条で,材料強度は,建築基準法施行令第97条で定められています。
法令と学会規準とでは若干違っていて学会規準の方が厳しくなっています。鉄筋コンクリートの柱梁部材の断面検証の数式を学会規準を用いますので学会規準による許容応力度を使うのが一般的です。
コンクリートの許容応力度,材料強度は,「設計基準強度(Fc)」から決定(算出)されるようになっています。
例えば,圧縮の長期許容応力度は,Fc/3です。
コンクリートの許容応力度,材料強度は設計基準強度(Fc)ごとに次のとおりです。
<基準強度ではなく設計基準強度>
鉄筋や木材などは「基準強度」をスタートとして許容応力度や材料強度を定めますが,コンクリートだけは「設計基準強度」をスタートとします。なぜ,コンクリートだけ用語を変えるのか私なりに想像してみます。
鉄筋や木材などは品質管理された材料であり,基準強度になるように作られた材料を現場に持ち込みます。生コンも品質管理された材料には違いありませんが,JIS工場である生コン工場が品質管理したそのままのコンクリートが現場で打設されるわけではないとの考え方から,生コンの呼び強度をそのまま「基準強度」にすることができません。だから,「設計基準強度」という用語を使うのだと思います。呼び強度と設計基準強度の関係については〈構造材料の特性と品質(コンクリート)〉を見てください。
<許容応力度以外の材料定数>
コンクリートのヤング係数,ポアソン比,せん断弾性係数は,日本建築学会の「鉄筋コンクリート造計算規準・同解説」の第5条で示されています。
ヤング係数E:コンクリート比重と設計基準強度で算出
ポアソン比ν:0.2
せん断弾性係数:G=E/(2・(1+ν))
学会規準の計算式でヤング係数を算出すると,
Fc=24のヤング係数は,E=22700N/mm2
Fc=30のヤング係数は,E=24400N/mm2
です。
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<構造設計の関連情報>
Ⅰ 構造力学
〈構造力学(法則・基本的な考え方)〉
〈構造力学(解法1)〉
〈構造力学(解法2)〉
〈トラス構造解法の補足〉
〈CM0Q算出の仕組み〉
〈梁理論の補足〉
Ⅱ 構造躯体として使われる材料の特性
〈材料力学〉 〈種々の構造材料の品質等〉
〈構造材料の許容応力度等〉
〈コンクリートの許容応力度等〉
〈鉄筋の許容応力度等〉
〈鋼材(炭素鋼)の許容応力度等〉
〈高力ボルトの許容応力度等〉
〈あと施工アンカー1本あたりの許容耐力など(H13告示第1024号による)〉
〈形によって決まる許容応力度〉
〈構造の仕様書的規定〉
Ⅳ 建築構造安全性判定手法
〈建築構造安全性判定手法〉
〈構造体をモデル化する手法〉
〈構造解析で算出された存在応力を割り増しするルール〉
〈既存建物の耐震診断と耐震改修〉
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このページの公開年月日:2015年1月4日