<鋼杭の品質>
既製杭である鋼杭,主に「鋼管杭」の品質について説明します。
鋼杭は,指定建築材料ですから,JIS規格への適合が要求されます。適合すべきJISは次のものです。
- JISA5525(鋼管くい)
- JISA5526(H形鋼くい)
- JISG3101(一般構造用圧延鋼材)
- JISG3106(溶接構造用圧延鋼材)
- JISG3444(一般構造用炭素鋼管) など
「など」で省略しましたが,上部構造の鉄骨構造に使用できる鋼材はすべて鋼杭として使用できます。「鋼管くい」「H形鋼くい」が指定されていますから,杭として使用できる鋼材はこのふたつのJISに限られるのではないかと思われがちですが,上記のどのJIS鋼材でも杭として使用できます。
JISA5525(鋼管くい)とJISA5526(H形鋼くい)で規定される鋼材の種類の記号は次の通りです。
種類の記号 | |
JISA5525(鋼管くい) | SKK400,SKK490 |
JISA5526(H形鋼くい) | SHK400,SHK490M |
JISA5525(鋼管くい)とJISG3444(一般構造用炭素鋼管)の違い。
このふたつのJIS規格は,鋼材の化学成分に変わりはなく,引張強度などの機械的性質も変わりありません。断面寸法は,かなりのものが共通していますが,JISG3444は21.7φから1016φまであるのに対して,JISA5525は318.5φから2000φです。
ふたつのJIS規格の大きな違いは,JISG3444では「基礎杭への適用は外径318.5㎜未満の溶接鋼管」としていることです。
その他の違いとしては,JISA5525では,鋼管を長さ方向に工場溶接でつないだものもJIS範囲としていることや,表面に突起(デコボコ)のあるものを規定していることがあげられます。
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<参考>
既製杭の鋼管杭のことなら,「一般社団法人鋼管杭・鋼矢板技術協会」がHPで解説しています。
「日本鋼管圧入協会」も。
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このページの公開年月日:2015年2月13日