<一般構造用圧延鋼材>
一般構造用圧延鋼材は,JISG3101で規定されています。このJISで規定される鋼材の「種類の記号」のひとつが「SS400」です。他には,SS330,SS490,SS540がありますから,JISG3101で4種類の鋼材を定義しています。ただ,建築分野で使われるものとしてはSS400のみでしょう。
JISG3101でSS400と言ったら次のような鉄骨を指すことになります。
化学成分:リンと硫黄について成分の上限を規定
降伏点または耐力:235N/mm2以上(厚さ40mm以下),215N/mm2(厚さ40未満)以上
引張強さ:400~510N/mm2 ←SS400の400はここからきている。
伸び:21%以上(鋼板,鋼帯,平鋼,形鋼で厚さ5mm以下),17%以上(同 厚さ5mmを超え16mm以下)
これらに加えて,H形鋼などの形状,寸法,質量及び許容差が規定されています。形状,寸法,質量及び許容差は,JISG3101でJISG3191から3194が指定されていて,ここで規定されています。
JISG3191から3194で規定されているもの。
JIS番号 | 規定される内容 | |
JISG3191 | 棒鋼(丸鋼,角鋼,六角鋼),バーインコイル | の外観,形状及びその許容限度並びに寸法,質量及びその許容差 |
JISG3192 | 山形鋼,I形鋼,溝形鋼,H形鋼など | |
JISG3193 | 鋼板,鋼帯 | |
JISG3194 | 平鋼 |
ここで言う寸法とは,断面形状の寸法も指すが,鋼材の長さも指します。それぞれに許容差も決まっています。ここでは,断面積を算出するための算出式や単位長さ質量を算出する時の比重(0.785kg/cm3・m)も示されています。しかも,JISG3192では,断面積,単位長さ質量,重心の位置,断面2次半径,重心の位置,断面2次モーメント,断面2次半径,断面係数も示されています。
以上のように,「SS400」とは,鋼の部分の材料特性のみを指すものではなく,断面形状なども含めて品質が規定されたものを指します。素材としてSS400の能力を持つ鋼でハート形の断面を持つ鋼材を作ったとしてもそれはSS400とは呼ばれません。
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このページの公開年月日:2012年6月1日