<スパイラル筋>
鉄筋をくるくると巻いてスプリング状にしたものを「スパイラル筋」といいます。スパイラル筋は,主に,鉄筋コンクリート造建築物の耐震補強で新しく取り付けるRC壁の周囲の既存RC躯体に接する部分に入れてひび割れを防止する目的で使われます。
スパイラル筋の品質は,「JIS○○で規定されています」と書くところですが,素材の鉄筋にはJIS規格がありますが,曲げてできたスパイラル筋にはJIS規格はありません。
したがって,「スパイラル筋」という用語は,公式には定義されていないことになります。
スパイラル筋に使う鉄筋の径は,「㈱トーアミ」のものでは次のようになっています。
スパイラル筋に用いる鉄筋:φ4,φ6,φ9,D6,D10,D13
その鉄筋は,JISG3112のSR235とSD295Aなんだと思いますが,㈱トーアミのHPにはそこまでは書いていません。
曲げてできたスプリング状の直径は,次のようになっています。
スプリングの直径(φ6の場合):50~250mm
スプリングの直径(D10の場合):90~400mm
スパイラル筋の使い道。
スパイラル筋は,既存鉄筋コンクリート建物の耐震補強で,新しく取り付けるRC壁の周囲で既存躯体に接する部分にひび割れ防止として使います。鉄骨筋違を入れる場合も,鉄骨筋違の外周の鉄骨と既存躯体との間に入れるグラウト部分にひび割れ防止として使います。
どのように使うかは,「既存鉄筋コンクリート造建築物の耐震改修設計指針・同解説」(国土交通省建築指導課監修)に書いてあります。この本は販売されている書籍ですから,ネット上でただで閲覧することはできません。
詳しくは,この書籍を読むのですが,
RC壁で補強する場合のスパイラル筋:3.1.4と3.9.5に,φ6以上で量は壁筋比程度以上と解説されています。
鉄骨筋違外周のグラウト部に入れるスパイラル筋:3.4.4に,φ6以上でグラウト面の0.4%以上と規定されています。
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