<左官>
左官について解説します。左官という職業は奈良時代ごろからあったのだと思います。赤土に藁をまぜて壁に塗り込んで土壁を作って,漆喰を塗るという建築工事の大切な仕事のひとつです。現在でもそうした伝統的な土壁づくりは受け継がれていますが,国の公共建築工事標準仕様書の左官の中には,土壁や漆喰塗りは含まれていません。
国の公共建築工事標準仕様書で左官に規定されているのは,次の7種です。
- モルタル塗り
- 床コンクリート直均し仕上げ
- (床の)セルフレベリング材塗り
- 仕上塗材仕上げ
- マスチック塗材塗り
- せっこうプラスター塗り
- ロックウール吹付け
「仕上塗材仕上げ」は,一般名称で「リシン」と呼ばれるものや「吹付けタイル」と呼ばれるものなどで,コンクリート建物の外壁の仕上げに一般的に使われるものです。圧縮空気で霧吹きのように吹付けて施工しますので,「塗装」に分類されるものと勘違いしやすいですが,「左官」に分類されます。なぜ「仕上塗材仕上げ」が「左官」に分類されるのかはわかりませんが,想像するに,吹付けるものが砂などの固体だからでしょう。
「マスチック塗材塗り」も「塗装」ではないのかと思われますが,ハンドローラーで塗るので「左官」に分類されているのでしょう。
左官に含まれる上記の7種類のそれぞれがどのような工法なのかは,なかなか複雑です。
モルタル塗りの解説はこちらです。〈モルタル塗り〉
[cwpshiage1]
<補足説明>
「[cshiyousholink1]」の複層塗材Eなどの下地調整に「下地調整塗材C-2」などの用語があります。同仕様書にはそれが何であるかの定義が書いてありませんが,JISA6916です。
[cshiagelink]
[cwpshiage2]
このページの公開年月日:2014年11月17日