<CADを使いこなす技術>
図面は現在ではコンピュータでCADソフトを使って作成します。昔はドラフターという定規が平行移動するものがついている机で書いていたものですが,今ではCADに置き換わりました。CADを使いこなせる技術が必要ですので,それをまとめてみました。
また,末尾に,CAD以外の便利なアプリの解説を入れました。
まずは,CADソフト。
この3つが,多く使われているCADソフトだと思います。
<JW-CADの解説>
JW-CADについて解説します。
このソフトは,フリーソフトです。2次元CADの本格的なものです。入手方法は,作者のHP「JW-CAD」からダウンロードすることです。現在(2019-8)の最新バージョンは,8.10bです。
JW-CADの使い方。
CADソフトをはじめて使うときは,基本的な操作方法からはじめて,作図方法を習得していくことが必要です。JW-CADソフト自体に「HELP」がありますから,役に立ちますが,基礎的な操作から習得したい場合は,
「JWのCADの使い方」 ←このHPがわかりやすいです。
レイヤーの使い分け。
CADを使いこなす上で,重要な技術がレイヤーの使い分けです。レイヤーとは,図面を何枚にも分けて作って,印刷するときにすべてを重ねて印字するようなものです。CADはレイヤーがあることによって,随分と便利になっています。
レイヤーの使い分けこそが,それぞれの建築士のCADテクニックと言えるものなのですが,レイヤーの使い分けのルールはあります。
これは,国土交通省の基準ですけど,このとおりにすると相当煩雑になります。このため,これはあまり守れられていないような気がします。
現在は,3次元CADへと移行しつつあります。3次元CADソフトとしては,ArchiCAD,Revit Architecture,GLOOBEがあります。これらのソフトでは共通化された3次元データである建築モデルデータ(IFC)を作成します。
設備設計の3次元CADとしては,CADWe’llTfasがあります。
JW-CADの操作の一部を紹介します。
つい忘れてしまいがちなことを私自身のメモとして書いておきます。
<作図してある円の中心点を特定する>
円は,中心点をクリックして半径になるところでもう一度クリックすると,指定した円がCAD上で作図されます。
円を書いたその瞬間は円の中心がどこだったかはわかるのですが,
作図してある円の中心がどこであったかを知るためにはどうしたらいいでしょうか。
答え
その円周上の線のどこかにマウスポインターをあてて,右ボタンを押しながら3時の方向へドラッグ。
<斜め線からその線に垂直な線を引く>
答え
その線の上にマウスポインターをあてて,右ボタンを押しながら12時の方向へドラッグ。
<円周上で円周に垂直な線を引く>
答え
上と同じ。ただ,線コマンドにしたときに,「水平・垂直」ボックスと「15度」ボックスのチェックが外れていないと,
任意の円周上の点からの線にならないので注意。
<写真を挿入する>
CAD図面上に写真を入れたい場合にどうするか。地図を入れたい場合に地図を画像データのままで挿入できたら
便利です。
答え
JW-CADには,ビットマップなら画像データを挿入する機能があります。
メニューバーの「編集」→「画像編集」とすると,メニューバーの下に新しいバーが出ますから,その中の「画像挿入」で,
自分のコンピュータ内にあるビットマップファイルを選んでから,挿入したい場所でクリックする。
<作業する範囲を限定する>
CAD画面は,A2判に設定したその紙の大きさが初期画面の大きさになっています。作図するときは,その部分だけを拡大して
進めるのですが,両クリックの右上ドラッグすると,A2判の紙全体に戻ります。これはこれで便利なのですが,
作業する範囲を限定したい場合もあって,両クリック右上ドラッグで作業している位置に帰ってほしい場合もあります。
その場合の方法は,
メニューバーの「設定」→「画面倍率・文字表示」で,「表示範囲記憶」とします。
これを解除したい場合は,その隣の「記憶解除」とします。
<円に接線を引く>
答え
メニューバーの「作図」→「接線」で,「円→円」にチェックして,ひとつずつ円をクリックする。
<複数の図面を印刷する>
CADで図面を書くときに,通常は,1枚の図面を1つのファイルに作ります。図面枚数は,何十枚にもなりますから,
CADファイルも枚数だけあります。図面ができあがって,印刷する時に,1つのファイルを開いては,印刷コマンドで設定して
印刷していたのではたいへんです。こ複数のファイルを指定して,一括して印刷ができれば便利です。
その場合の方法は,
どれか1つのファイルを開いて,「ファイル」→「印刷」で,その1枚を印刷する手前までの状態にする。
右上に「出力方法設定」があるのでクリック。「プリント出力形式」のウインドウが出てくるので,「ファイル連続印刷」とクリック。
ファイル選択のウインドウが出るので,シフトキーを押しながらクリックすることで複数のファイルを選択する。
そのウインドウの「選択確定」をクリックしたらCADの画面に戻るので,「印刷」する。
選択したファイルが全部印刷される。
<塗りつぶす>
ハッチコマンドで指定した範囲内を斜め線で敷き詰めることはできますが,色で塗りつぶすこともできれば便利です。
答え
メニューバーの「作図」→「多角形」で,右上の「任意」をクリックして,「ソリッド図形」にクリックしてから複数の点を
指定してから,「作図」をクリックすると指定した範囲を多角形で塗りつぶすことができます。色は任意の色を指定できます。
ドーナツのように中ほどに塗り残しを作ることは難しいです。塗った後で,部分的に消すコマンドがないからです。
ならばどうするのか。塗りたい図形を2つに分けて塗れば中ほどに塗り残しを作れます。
<三斜を切る>
敷地図を書いて「測定」コマンドで外周の点を選択していけば敷地面積を算出してくれます。でも,敷地面積として図面に表示
するためには,敷地を三角形に切って底辺×高さの計算をして合計しなければいけません。これが自動で作成できたら
便利です。
答え
「外部変形」コマンドを使うと,自動で底辺×高さの表を作って合計を出してくれます。
「その他」→「外部変形」で,「@REM 三斜面積計算」を選んでから,範囲を指定してから「範囲の確定」で表を書く位置をクリックして
コマンドに従って必要な数値などを入れていけば三斜面積の計算表ができます。
同じようにして,X-Y座標による面積計算も「@rem 座標面積計算」を選ぶことで可能です。
<便利な外部変形ソフト>
「@REM 三斜面積計算」と「@rem 座標面積計算」は,JW-CADにはじめからついている外部変形ソフトですが,外部変形は本来,
JW-CADソフト以外のソフトを利用するものです。他者が作った外部変形ソフトで便利なものを紹介します。
ソフト名:「あははっ簡単!!jww作表」
種別:FREE
ソフトの用途:EXCEL表をコピーして,JWWに貼り付けることができる。
<便利な周辺ソフト>
JW-CADは2次元CADとして充実したソフトですが,外部ソフトを付け加えることでさらに便利になります。
ソフト名:JexPad
種別:FREE
ソフトの使い道:JW-CADで作った図面データをEXCELなどにコピーすることができる。JexPadでJW-CADデータを
開いたら,そこがクリップボードになっていて,これをEXCELやWORDに貼り付けることができる。
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<CAD以外の便利なアプリの紹介>
建物の写真を撮る時に,これ以上,下がることができなくて建物全体が収まらないことがよくあります。
広角レンズを使えば建物全体を入れることができるのでしょうけど,普通のデジタルカメラには望遠はついていても,
広角はついていません。
そこで,2枚にわけて撮影して1枚につなぐことができれば便利です。
Windows Essentials フォトギャラリーを使えば,複数の写真をつないでパノラマ写真をつくることができます。
Windows Essentialsは,無料でマイクロソフトのHPからダウンロードできます。
Windows Essentialsは,フォトギャラリー以外にもたくさんのソフトがパックされていますから,
ダウンロードして,インストールする時に,「フォトギャラリー」だけを選ぶようにしてください。
あとは,Windows Essentialsフォトギャラリーを起動して,2枚の写真を選らんで「パノラマ写真の作成」をする
だけです。
つながった写真を見ると,ちょっとした感動があります。
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このページの公開年月日:2012年6月23日