<電子納品>
<設計業務の電子納品>
国や公共団体が発注した設計業務であれば,設計成果物を電子データで納品することを求められます。「電子納品」というのですが,CADで作った図面データをCDに焼き付けるだけではありません。ファイル名のつけかたや格納するフォルダーが規定されて,業務記録や現地写真などのデータも必要で,そのファイル名のルールもあります。ルールどおりに作らないと発注者側の受領検査でエラーが出ますので,電子納品は,結構たいへんです。
電子納品のルールは,国土交通省のHPに解説されています。
詳しくは,上記のHPを見てくださいということなのですが,ちょっとだけ解説しますと,「建築設計業務等電子納品要領(H24)」と「官庁営繕事業にかかる電子納品運用ガイドライン(営繕業務編)(H24)」があります。ここには,ファイル名をアルファベット半角大文字8文字でつけることや,フォルダーのツリー構造などが規定されています。
そして,それぞれのファイルをXMLファイルでリンクさせるようになっています。
このルールを守って作っていないと発注者側の受領チェックでエラーが出ます。
ルールどおりに作れと言われても,ファイル名・フォルダー名のルールぐらいはまだしも,XMLファイルなんて作ったことがありませんから困ると思いますが,これを作るためのソフトが無料で用意されています。
「官庁営繕の電子納品関連資料(電子成果品作成支援・検査システムver3.0)」です。
このHPの末尾に,このシステムとマニュアルのダウンロードがありますので,ダウンロードして使います。
「電子成果品作成支援・検査システム」について
このシステムを開くとたくさんの記載を求められます。この中で,わかりにくいものは,つぎのとおりです。
業務番号:契約業務ごとの番号ですから発注者に聞く
発注者コード:わかりません。平成25年春ごろまでは国土交通省のCALS-ECのホームページにありましたが,今は消えています。「日本建設情報総合センター」の「コリンズテクリスの発注機関コード」をつかうのでは?との話はありますが,不明です。
受注者コード:わかりません。 「000」でもいい?
施設の緯度経度:国土地理院の国土基本図で調べる
上記以外は,ルールどおりに名前をつけたCADデータをフォルダーに入れておいてからひとつずつ登録していきます。エラーがあればこのソフトが教えてくれますから便利と言えば便利ですけど,面倒くさいです。
<工事の電子納品>
次に工事が完了した時の電子納品について解説します。
工事が完了した時のものですから,これは,施工者がするものです。建築士のみなさんはこれをすることはないとは思いますけど,ついでに入れておきます。
設計の場合と同様に,電子納品のルールは,国土交通省のHPに解説されています。
ここに,「営繕工事電子納品要領(H24)」と「官庁営繕事業に係る電子納品運用ガイドライン(営繕工事編)(H24)」がありますから,これを見てください。
電子納品のための支援システムは,設計の時のものと同じです。
「官庁営繕の電子納品関連資料(電子成果品作成支援・検査システムver3.0)」
[cwpsekisan1]
[czumenkalink]
<補足>
・ファイル名は半角大文字で,拡張子も半角大文字です。平成23年までは拡張子の大文字を求めていませんでしたが,24年からそうなっています。
<補足>
左のシステムが作るフォルダー名を変更したりフォルダーの位置を移動させたりしてはいけません。
左の支援・検査システムは必ず最新バージョンを使ってください。古いもので作ったら納品検査でエラーになります。
[cwpsekisan2]
このページの公開年月日:2012年7月1日