住宅と非住宅の性能基準の適用の違いと住宅の定義

<住宅と非住宅の性能基準の適用の違いと住宅の定義>

省エネ法では,住宅部分と非住宅部分とでは適用が異なります。違いは次の2点です。

1.〈大規模非住宅建築物の省エネ基準適合義務の制度〉いわゆる適合性判定で建築物の規模が2000㎡以上の場合に適用されるが,その床面積には住宅部分が除かれる

2.〈建築物エネルギー消費性能基準〉の適用が住宅部分と非住宅部分とで異なる

1.は,法第12条の適合性判定を必要とする建築物を「特定建築物」と言いますが,非住宅部分の床面積が2000㎡以上の建築物を特定建築物としています。つまり,共同住宅(マンション)はどんなに規模が大きくても適合性判定を必要としません。

2.の住宅部分への基準の適用と非住宅部分への基準の適用の違いをまとめると次のようになります。

非住宅建築物 1次エネルギー消費量(設計値≦基準値)
住宅 1次エネルギー消費量(設計値≦基準値)

外皮性能(外皮平均熱貫流率,平均日射熱取得率)

複合建築物 非住宅部分について1次エネルギー消費量

住宅部分について1次エネルギー消費量と外皮性能

詳しくは,〈建築物エネルギー消費性能基準〉を見てください。

<住宅の定義>

住宅と非住宅とではこうした違いがありますから,住宅の定義が重要です。

住宅部分の定義は,法第11条第1項と令第3条で定義されます。

法第11条第1項
住宅部分:居住のために継続的に使用する室その他の政令で定める建築物の部分

令第3条  法第11条第1項の政令で定める建築物の部分は,次に掲げるものとする。

一  居間,食事室,寝室その他の居住のために継続的に使用する室(当該室との間に区画となる間仕切壁又は戸(ふすま、障子その他これらに類するものを除く。次条第一項において同じ。)がなく当該室と一体とみなされる台所、洗面所、物置その他これらに類する建築物の部分を含む。)

二  台所,浴室,便所,洗面所,廊下,玄関,階段,物置その他これらに類する建築物の部分であって,居住者の専用に供するもの(前号に規定する台所,洗面所,物置その他これらに類する建築物の部分を除く。)

三  集会室,娯楽室,浴室,便所,洗面所,廊下,玄関,階段,昇降機,倉庫,自動車車庫,自転車駐車場,管理人室,機械室その他これらに類する建築物の部分であって,居住者の共用に供するもの(居住者以外の者が主として利用していると認められるものとして国土交通大臣が定めるものを除く。)

住宅と言うものを定義するのに,居間や寝室や台所や玄関などを列記する必要があったのかどうかわかりませんが,共同住宅の共用部分である廊下・階段・EV・集会室・管理人室や自動車車庫も住宅部分に含まれるとしています。

住宅部分として2000㎡の面積から除くことができる共用廊下などは居住者のみが使用する廊下であって,商業施設を利用する人も使用する廊下は除くことはできないものと思いますが,平成29年3月15日技術的助言の1(1)のなお書きで状況によっては除けることが示唆されています。



省エネ法で言う「住宅」とは何か

省エネ法では法第11条第1項で住宅の中身を細かく定義していますが,そもそも住宅とは何かが定義されていません。普通に考えて,戸建て住宅,長屋,共同住宅が住宅の定義に含まれることはいいとして,寄宿舎,下宿も住宅に含まれているようです(省エネ機構のマニュアルより)。

省エネ法の関連情報
省エネ法の解説

誘導基準に適合した建築物の容積率特例措置

省エネ基準に適合している旨の表示制度

大規模非住宅建築物の省エネ基準適合義務

適合性判定を必要とする行為

中規模以上の建築物の届出

届出を必要とする行為

建築物エネルギー消費性能基準

用途ごとの1次エネルギー消費量基準

経過措置

用途の考え方

適用除外となる建築物(用途)

住宅と非住宅の性能基準の適用の違いと住宅の定義

建築物の用途をどのように分類するか




このページの公開年月日:2017年5月27日