建築物エネルギー消費性能基準

<建築物エネルギー消費性能基準>

平成29年4月から適用になる建築物省エネ法の技術基準が「建築物エネルギー消費性能基準」です。これは,法第2条第3号で定義され,具体には「 建築物エネルギー消費性能基準等を定める省令 」で定められています。

建築物省エネ法の申請手続きは,

1.建築物エネルギー消費性能向上計画認定(法第29条)

2.既存建築物基準適合認定申請(法第36条)

3.建築物エネルギー消費性能適合性判定(法第12条)

4.中規模以上の建築物の届出(法第19条)

の4つで,3.は,「建築物エネルギー消費性能基準」が義務として適用され,4.は努力義務として適用されます。1.については,同基準を一部強化(「誘導基準」という)して適用されます。したがって,いずれの場合も同基準がベースになります。

<建築物エネルギー消費性能基準の体系>

ベースとなる消費性能基準の法体系を説明します。

建築物エネルギー消費性能基準等を定める省令

建築物エネルギー消費性能基準等を定める省令における算出方法等に係る事項(H28告示第265号)

住宅部分の外壁、窓等を通しての熱の損失の防止に関する基準及び一次エネルギー消費量に関する基準(H28告示第266号)

基準を適用するうえで第1ステップとなる「地域の区分」は省令第1条第2項に「大臣が別に定める」とされ,「H28告示第265号」の別表第10で一覧表にしています(同告示第3より)。

<建築物の用途と性能基準の適用>

建築物エネルギー消費性能基準は,建築物の用途を「非住宅建築物」「住宅」「複合建築物」の3つに分けてそのそれぞれで適用しています。

非住宅建築物:住宅部分のない建築物(規則第1条第1項第1号)

住宅:非住宅部分のない建築物(規則第1条第1項第2号)

複合建築物:非住宅部分と住宅部分を有する建築物(規則第1条第1項第3号)

それぞれに適用される基準は次の通りです。

非住宅建築物 1次エネルギー消費量(設計値≦基準値)
住宅 1次エネルギー消費量(設計値≦基準値)

外皮性能(外皮平均熱貫流率,平均日射熱取得率)

※共同住宅の場合,外皮性能は住戸ごとに適用

複合建築物 非住宅部分について1次エネルギー消費量

住宅部分について1次エネルギー消費量と外皮性能

<性能基準の適用についての補足>

1次エネルギー消費量は住宅部分にも非住宅部分にも適用

1次エネルギー消費量は,非住宅部分にも住宅部分にも建物全体に適用されます。複合建築物(非住宅部分,住宅部分が併存しているもの)は建物全体で1次エネルギー消費量の基準への適合が求められます。


外皮性能は共同住宅の場合,住戸ごと

住宅部分に適用される外皮性能は,単位住戸ごとの値が基準を満足している必要があります。つまり,すべての住戸が満足している必要があります。また,適用は住戸部分のみであり住宅の共用部に外皮性能は要求されません。「単位住戸」とは「住宅部分の一の住戸をいう」と省令第1条第1項第2号で定義されています。


義務として適用されるのは非住宅部分だけ

複合建築物における性能基準は上記のように,非住宅部分と住宅部分に適用されますが,適合性判定(法第12条)で義務として適用されるのは,非住宅部分だけです(法第11条第1項)。義務とされない住宅部分(300㎡以上の場合)について基準に適合しない場合は所管行政庁の指示等の対象になります(法第16条第1項)。


増築では既存部分を含めて適用

増築する場合の性能基準の適用は,建築物として適用されますから,既存部分を含めて適用されるというのが原則です。とはいえ,平成28年3月末に存在した建築物の部分については,省令の附則で経過措置が定められています。1次エネルギー消費量については数式を修正(緩和)して適用するようになっていることと,住宅部分の外皮性能については1次エネルギー消費量の基準に適合する場合は適用されないことの2つの経過措置があります。


基準の適用について重要となる住宅部分の定義は,〈住宅と非住宅の性能基準の適用の違いと住宅の定義〉を見てください。

1次エネルギー消費量の基準は,建築物の用途ごと室用途ごとに定められていますので,〈用途ごとの1次エネルギー消費量基準〉を見てください。



計算プログラム

消費性能基準適合しているかどうかを計算するための計算プログラムは「建築研究所」のHPで公開されています。「建築物のエネルギー消費性能に関する技術情報

3種類の性能基準

建築物省エネ法で規定する性能基準は3種類あります。

・建築物エネルギー消費性能基準

・建築物のエネルギー消費性能の向上の一層の促進のために誘導すべき基準

・住宅事業建築主基準

いずれも「 建築物エネルギー消費性能基準等を定める省令 」で規定されています。

省エネ法の関連情報
省エネ法の解説

誘導基準に適合した建築物の容積率特例措置

省エネ基準に適合している旨の表示制度

大規模非住宅建築物の省エネ基準適合義務

適合性判定を必要とする行為

中規模以上の建築物の届出

届出を必要とする行為

建築物エネルギー消費性能基準

用途ごとの1次エネルギー消費量基準

経過措置

用途の考え方

適用除外となる建築物(用途)

住宅と非住宅の性能基準の適用の違いと住宅の定義

建築物の用途をどのように分類するか




このページの公開年月日:2017年4月23日