120㎡の倉庫を物品販売店舗に用途変更する時の法適用

<120㎡の倉庫を物品販売店舗に用途変更する時の法適用>

80㎡の倉庫を物品販売店舗に用途変更する時の法適用〉では,確認申請の手続きが必要ありませんでしたから,今度は確認申請が必要な場合,120㎡の倉庫を店舗に変える場合を考えます。

<事例>

その床面積120㎡の倉庫は確認通知を受けて,検査済証も受けて適正に建築された(耐火建築物,準耐火建築物ではない)。

完成後,本当に倉庫として使用された。

完成後の所有者のやむなき事情(例えば勤務先の倒産で職を失った)で,所有者本人が店舗を開設し販売をはじめる。店舗とは,建物内部に商品を陳列し客が建物内で商品を見てその場で購入する営業形態とする。

倉庫のフロアーをそのまま利用して一切の工事はしない。

倉庫に窓はなく,天井高さも2mしかない。住居専用地域ではない。

この倉庫の建設時から建築基準法は一切改正されていなくて既存不適格ではない。

この前提で120㎡の倉庫を物品販売業を営む店舗に用途変更する行為に対して,建築基準法はどのように適用されるのでしょうか。

80㎡の倉庫を物品販売店舗に用途変更する時の法適用〉と違うのは,法第87条第1項が適用になることです。

法第87条第1項は「手続き規定の準用」と考えている人が多いですが,手続きを準用した結果,重要なことが含まれています。それは,法第6条第1項で「~着手する前に,その計画が建築基準関係規定に適合するものであることについて,確認の申請書を提出して建築主事の確認を受けなければならない」が準用されることです。

80㎡の倉庫を物品販売店舗に用途変更する時の法適用〉では,その行為に対して違法行為として適用できるのは法第8条の維持保全に対する努力義務しかないことを説明しましたが,確認申請を必要とする用途変更であれば,第6条を準用し,これによって基準への適合義務が生じます。第8条の努力義務とは効力が違います。

この例の場合,店舗に窓がありませんから,自然換気や24時間換気加えて無窓居室の制限に適合しておらず,天井高さも満足していません。用途変更すると基準に適合しませんから確認を受けられず,用途変更という行為を行うことができません。法第87条第1項により準用する第6条第1項で禁止されます。確認を受けるためには,天井を張り替えて2.1m以上にし,窓や換気設備を基準に適合するように設置しなければいけません。

ちなみに,法第87条第2項は適合しています。第3項,第4項は既存不適格建築物への規定ですから適用されません。

次は,既存不適格建築物の場合〈既存不適格の120㎡の倉庫を物品販売店舗に用途変更する時の法適用〉です。