<事件・災害への行政対応②(入門編)>
ここからは,事件・災害などへ建築行政部局がどのように対応すべきかを,次の3つの事例について考えてみてください。これらは,実際に発生した事件です。国土交通省建築行政部局がどのように対応したかの結果は出ていますが,その結果を見るのではなく,今,新たな事件が発生したものとして,どのように対応すべきかを考えてみてください。
事例1
平成27年5月,川崎市の簡易宿泊所で火災が発生し宿泊客など11名が死亡した。木造2階建てとして届け出られていたが違法な改修工事により3階建てになっており,避難・延焼防止などの基準が満足していなかった。
事例2
平成27年10月,広島市流れ川の飲食店を主体とした雑居ビルで火災が発生し客・従業員3名が死亡した。ここでも違法な改造工事が行われており避難がむずかしい状態だった。
事例3
平成28年5月,北海道網走市の養豚場で火災が発生し,豚2万頭が死んだ。
事例4
平成27年2月,関東を中心とする豪雪で屋根が崩落するなど大きな被害が生じた。この被害は,積雪の後に雨が降ったことで積もった雪がさらに重くなって,特に,大きくて勾配の緩い屋根がその荷重に耐えられなくなって生じたものと分析された。
国土交通省が対応した結果はこちらです。
これらに対して,どのように対応したかの答えは出ているのですが,事例として考えてみてください。
私が一番にテーマとしたいのは,平成17年11月17日に国土交通省により発表された耐震強度偽装事件です。建築業界全体の信頼性を損なう事件に対して,どのように対応したのかはとても重要なことです。〈構造計算書偽装事件〉で解説します。
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このページの公開年月日:2017年9月13日