<トラス構造解法の補足>
トラス構造の解法については,例えばこちら「静定力学講義・静定トラスの応力計算(近畿大学工学部)」がわかりやすいです。
上記資料の3ページ目がトラス構造(それ以降の構造力学も含めて)が理解できるかできないかのターニングポイントです。
右向き,左向きの矢印がいっぱいあります。このページの前までが構造計算に必要な考え方を示したもので,ここからが具体の解法なのですが,その解法のスタートが3ページ目のいっぱいの矢印です。〈作用・反作用〉,〈外力・内力〉の考え方で,ここにある矢印を理解していきます。
3ページ目の図は,1本のトラス材を切り出したものです。切り取った隣にあったものは接点です。トラス材は,引き延ばされているか,押し縮められているかのどちらかです。トラス材にとってそれは内力ですが,隣り合っていた接点と切り離して考えたことによって切り離した点において外力になります。この図の上から3本目まではトラス材が引き延ばされた状態を示しています。Pはトラス材に作用している外力です。Nはその反作用でトラス材から接点へ作用させている外力です。
トラス材が引き延ばされているときは,隣の接点を自分(トラス材)の側に引き寄せている。ということをこの矢印で示しているということがわかったでしょうか。
実は,3ページ目の矢印の仕組み(それはすなわち作用反作用の考え方なのですが)がわからなくても,トラス材が引き延ばされている時は隣の接点を引き寄せ,押し縮められている時は隣の接点を突き放す力を作用させる。ということだけ覚えておけば,次へ進むことができます。3ページ目の矢印の仕組みを理解してほしいとは思いますが,作用・反作用というものの不思議とでも言っておきましょう。
※ この解法は静定トラス構造に適用されるものです。静定とは,力のつり合い条件だけで解ける構造のことで,トラス構造の場合,各接点における力のつり合い条件を入れるだけで解けます。一方,不静定構造では,トラス材の変形を考慮しなければ解くことができません。不静定トラスをどうやって解くかは,後にします。
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Ⅰ 構造力学
〈構造力学(法則・基本的な考え方)〉
〈構造力学(解法1)〉
〈構造力学(解法2)〉
〈トラス構造解法の補足〉
〈CM0Q算出の仕組み〉
〈梁理論の補足〉
Ⅱ 構造躯体として使われる材料の特性
〈材料力学〉 〈種々の構造材料の品質等〉
〈構造材料の許容応力度等〉
〈コンクリートの許容応力度等〉
〈鉄筋の許容応力度等〉
〈鋼材(炭素鋼)の許容応力度等〉
〈高力ボルトの許容応力度等〉
〈あと施工アンカー1本あたりの許容耐力など(H13告示第1024号による)〉
〈形によって決まる許容応力度〉
〈構造の仕様書的規定〉
Ⅳ 建築構造安全性判定手法
〈建築構造安全性判定手法〉
〈構造体をモデル化する手法〉
〈構造解析で算出された存在応力を割り増しするルール〉
〈既存建物の耐震診断と耐震改修〉
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このページの公開年月日:2016年5月4日