<防水・シーリング事故>
シーリング材の種類の選定を間違うとどうなるのかを,ちょっとだけ解説します。
シーリング材の種類の選定は,どの材料とどの材料をシーリングでつなぐのかによって決まってきます。また,ワーキングジョイント(ふたつの材料が微妙に動くもの)かどうかによっても変わります。種類の選定を間違うと,シーリング性能が短い期間で低下してしまって水漏れがはじまってしまうということもありますが,シーリング材の成分が溶け出して周りの材料を汚してしまうことがあります。
<ブリージング>
シーリングの上に仕上げ塗装をした場合,シーリング材に含まれる成分が仕上げ塗装材に浸透して変色などを起こすことがあります。これを「ブリージング」といいます。シーリングの方が溶けてしまうこともあります。
国の公共建築工事標準仕様書では,シーリングに塗装をする場合は「ポリウレタン系」を使うものとされています。ですが,これを100%信じて「ポリウレタン系ならばブリージングは起こらない」と考えるのはまずいと思います。シーリング材と塗装材の成分の組み合わせによるものですから,双方のメーカーに問い合わせて確認すべきです。
<シーリング材による石材の黄変現象>
石と石の目地をシーリングした場合,シーリング材の成分が石に溶け出して石の表面を変色させることがあります。これを「シーリング材による石材の黄変現象」と言います。
上の写真のように,石が変色してしまうと高級な材料である石が台無しです。石を変色させないシーリング材をよくよく吟味して使わなければいけません。
<防水の関連情報>
〈防水(シーリング以外)〉 〈防水(シーリング)〉
<参考>
シーリング材と仕上塗材の相性については「日本シーリング材工業会」から汚染性試験方法が提示(上記HP上でのネット販売)されています。そのページに試験結果も公開されていますから参考になります。
「建築用シーリング材に施工された仕上塗材の促進汚染性試験方法」
[cshiagelink]
このページの公開年月日:2012年6月