外壁の延焼の恐れある部分の防火設備

<外壁の延焼の恐れある部分の防火設備>

耐火建築物・準耐火建築物では,外壁の延焼の恐れある部分の開口部に防火設備を設置しなければいけません。このページでは,外壁に設ける防火設備がどのようになっていなければならないかを解説します。

※「防火設備」という用語全般については〈防火設備の構造方法〉で解説しています。


外壁に設ける防火設備の条件を記述した条文は,法第2条第9号の2ロです。

法第2条第9号の2ロ  その外壁の開口部で延焼のおそれのある部分に,防火戸その他の政令で定める防火設備(その構造が遮炎性能(通常の火災時における火炎を有効に遮るために防火設備に必要とされる性能をいう。第27条第1項において同じ。)に関して政令で定める技術的基準に適合するもので,国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものに限る。)を有すること。

「防火設備」の前段で「政令で定める」がありますのでこの条件が適用されます。政令は令第109条で,

令第109条第1項  ~定める防火設備は,防火戸,ドレンチャーその他火炎を遮る設備とする。

同条第2項  (2棟間の開口部を遮るそで壁など。ここでは省略)

と規定されています。

守るべき性能は,「政令で定める技術的基準に適合するもの」と定められており,その政令は,令第109条の2で,

令第109条の2  ~技術的基準は,防火設備に通常の火災による火熱が加えられた場合に,加熱開始後20分間当該加熱面以外の面に火炎を出さないものであることとする。

と規定されています。

具体的な構造方法は,「国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたもの」と定められていて,大臣の定めとはH12告示第1360号で,又は以後は〈個別認定〉と呼ばれるものです。

H12告示第1360号は第1で防火戸の構造方法を規定し,第2でアルミサッシの場合の周囲15センチの不燃制限を規定し,第3で隙間が生じないような構造でなければならないことを規定しています。この告示が使われるのは第1第2号の「鋼製で鉄板の厚さが0.8mm以上のもの(第1第2号)」と「鉄及び網入りガラスで作られたもの(第1第5号イ)」だけだったのですが,平成31年3月29日の告示の改正・施行で「耐熱強化ガラスの嵌め殺し窓」が加わっています。あわせて,アルミサッシの網入りガラス辞め殺し窓も加わっています。今後,引き違い窓なども対象とするよう告示改正される見込みなので,告示指定の防火設備が広がっていくでしょう

以上が,法第2条第9号の2ロから規定される防火設備のすべての条件です。

ただ,これがすべてだとすると,外壁の換気口に設ける鉄製の防火覆いは外壁に設ける防火設備としては認められないことになります。防火覆いの規定は,H12告示第1369号「特定防火設備の構造方法を定める件」にあります。この告示の第1第7号に,

第1369号第1第7号  開口面積が100平方cm2以内の換気孔に設ける鉄板,モルタル板その他これらに類する材料で造られた防火覆い又は地面から高さが1m以下の換気孔に設ける網目2mm以下の金網とすること

と規定されています。現在,これを根拠として,防火覆いは耐火建築物の外壁に設ける防火設備として認められているようです。

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個人意見

面積区画のための特定防火設備の構造方法を定めた告示に定められた100平方cm2以内の換気孔の防火覆いを,耐火建築物の外壁に設ける防火設備として認められるとは読めないものと思います。外壁に設ける防火設備は法第2条第9条の2ロからたどることができる条文ではないからです。

告示改正

外壁の延焼恐れある部分に設ける防火設備の構造を規定した告示(H12告示第1360号)が,平成31年3月29日に改正され施行されています。この改正で,耐熱強化ガラスの嵌め殺し窓が追加されました。この耐熱強化ガラスの場合,枠は鉄製,アルミ製,樹脂製そして木製も一定の条件のもので認められています。あわせて,アルミサッシの嵌め殺しの網入りガラス窓も防火設備として認められました。

防火設備の一般仕様の告示化(国土交通省発表)

防火設備の改正告示新旧対照表

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このページの公開年月日:2018年1月28日