Ⅰ構造力学(法則・基本的な考え方)

Ⅰ  構造力学(法則・基本的な考え方)

構造設計に必要な知識の第一は何と言っても構造力学です。物理の授業で机の上に物を置いて,作用,反作用の力の考え方を習ったと思いますが,これを果てしなく発展させたものが構造力学です。

構造力学の習得はそれなりに長い道のりを要します。そのため,「構造力学を習得することで何ができるのか」を先に提示しておいた方が飲み込みやすいです。構造力学でできることは,構造体に外力を作用させた場合に,その構造体に生じる各部の応力や各部の歪や変位などを算出することです。

構造力学を習得するために必要なことは,次の考え方です。

①  外力が釣り合っているから止まっている<ニュートン力学第1法則>

②  作用,反作用の考え方<ニュートン力学第3法則>

③  力の合成と分解の考え方<ニュートン力学以前>

④  力とモーメント

⑤  外力と内力の考え方

⑥ 変形と力の関係


①の「外力が釣り合っているから止まっている」については,理解しやすいと思います。構造力学ではこの性質を利用して,問題を解いていきます。「慣性の法則」といわれるものでニュートン力学第1法則です。

※ この時点では「外力とは何か」を示していません。その物体に外部から作用する力のことを言います。外力は内力との対比として使われる言葉ですので,⑤の「外力と内力の考え方」で説明します。


②の「作用,反作用の考え方」をどう理解するか。また,どう説明するか

②は机の上に物を置いて,それがなぜ止まっているかを説明するために必要な考え方です。このテーマは「物には重力が作用していて,下向きの力が作用しているのに,机の上にあるものはなぜ止まっているのか」というものです。「なぜって言われたって,机が邪魔しているから」です。「いちいち作用,反作用の考え方を出すまでもなく,下へ行こうとしても机がしっかりしているから下へは行けない」のです。これで思考が止まってしまっては構造力学が習得できません。

②作用,反作用の考え方〉で説明します。


③の「力の合成と分解の考え方」について説明します

力の合成は,1点に2つの力を作用した時に,同じ方向に作用させれば足し算したひとつの力が作用したのと同じであり,違う方向に作用すればベクトルに置き換えて足し算した方向の力になる,というやつです。

③力の合成と分解の考え方〉で説明します。


④の「力とモーメント」について説明します

力にはモーメントと言うものがあります。押したり引いたりする一方向の力とは別に,ねじる力があって,それをモーメントと言います。

このねじる力(=モーメント)をどう理解するか。また,どう説明するか。

④力とモーメント〉で説明します。


最後は⑤の「外力と内力の考え方」です

物体に外から作用する力を外力といいます。内力は物体内部に生じている力です。

⑤外力と内力の考え方〉で説明します。


上記までは,力について注目しましたが,構造力学の基礎的な考え方としてもうひとつあります。

⑥ 変形と力の関係

弾性域(応力の小さいとき)では,力と変形は比例していて,素材固有の比例定数があります。このため,変形がわかればそこに存在している力が特定できます。このことは,弾性域からはずれても,弾塑性の変形と力の関係がわかっていれば変形から力が特定できます。


次は,〈構造力学(解法1)〉です。

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このページの公開年月日:2015年5月10日