溶接の種類と溶接棒

<溶接の種類と溶接棒>

鋼材を接合するひとつの方法が溶接で,溶接にはいくつかの種類があります。溶接の種類を解説します。そしてその溶接に用いる溶接棒を紹介します。

建築分野の鉄骨造の建物の鋼材(炭素鋼)の溶接を前提として解説します。

鋼材を完全溶け込み溶接で接合する場合の開先形状は,「日本鋼構造協会」が定める「JSSⅠ03-2005溶接開先標準」で設計されます。この開先標準を抜粋で掲載しているのが「日本建築学会建築工事標準仕様書JASS6鉄骨工事」で,ここで紹介している溶接種類が次の3種類です。

  • 被覆アーク溶接
  • ガスシールドアーク溶接
  • セルフシールドアーク溶接

したがって,この3種類が建築分野で主に使われる溶接方法となります。

3種類とも,アーク溶接です。アーク溶接とは,溶接される鋼材と溶接棒との間に高い電圧を作用させて,放電で生じる高い熱で溶接棒を溶かして接合するものです。

アーク溶接では溶けた溶接金属が空気中の酸素で酸化してしまって強度が低下することを防がなければいけませんから,溶接している周辺にガスを発生させながら行います。3つの溶接種類は,ガスの発生のさせかたの違いによるものです。

溶接の種類 説明
被覆アーク溶接 溶接棒に被覆をつけていて,溶接する時に被覆が気体となって溶接部を包み込むことで溶接部の酸化を防ぐものです。被覆がつけてある溶接棒は,あまり長くできませんから,40cmぐらいのまっすぐなものです。自動溶接はできません。
ガスシールドアーク溶接 溶接するところへガスを吹きかけながら行うものです。溶接棒は長くできますから,コイル状になっていて,溶接棒を自動的に送り出しながら溶接します。
セルフシールドアーク溶接 溶接棒がパイプになっていて,パイプの内部にフラックスが入っていて溶接するとガスが発生するものです。これも溶接棒を長くすることができますから,コイル状になっていて,溶接棒を自動的に送り出しながら溶接します。

上記,3種類の溶接に用いる溶接棒は次の通りです。

溶接の種類 溶接棒のJIS規格
被覆アーク溶接 JISZ3211「軟鋼,高張力鋼及び低温用鋼用被覆アーク溶接棒」
ガスシールドアーク溶接 JISZ3312「軟鋼,高張力鋼及び低温用鋼用のマグ溶接及びミグ溶接ソリッドワイヤ」
セルフシールドアーク溶接 JISZ3313「軟鋼,高張力鋼及び低温用鋼用アーク溶接フラックス入りワイヤ」

[参考]マグ溶接,ミグ溶接はガスシールドアーク溶接の種類です。吹きかけるガスの違いで区別されます。二酸化炭素を含むのがマグ溶接でこちらの方が安価で建築分野ではマグ溶接が一般的に使われます。

[参考]耐候性鋼を溶接する場合は,上記とは別のJIS規格があります。

手動溶接,自動溶接という分類については次の通りです。

「被覆アーク溶接」は,手動溶接です。

「ガスシールドアーク溶接」と「セルフシールドアーク溶接」は自動溶接が可能です。溶接棒の送り出しを機械で自動的に送り出しながら手作業で溶接するのが半自動溶接で,完全自動溶接は,さらに,溶接作業の部分も自動化したものです。




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このページの公開年月日:2014年7月13日