溶接記号

<溶接記号>

溶接記号について解説します。

完全溶け込み溶接やすみ肉溶接などの溶接記号は,JISZ3021で規定されています。ですから,このJISを見ればわかります,で解説は終わりなのですけど,溶接記号を理解するためには,溶接の用語を知っていなければいけません。溶接の用語は,JISZ3001で規定されていますからそれを読むのですが,この2つのJISを読んでもなかなかわかりません。JISZ3021の記述が,わかりにくいので読んだだけでは理解できにくいのです。

理解できにくい部分を解説します。

溶接記号は,水平に書いた基線から60度の角度で出した矢印線で描かれます。矢印の先が溶接する位置を指します。そして基線の上下に書く記号が溶接の内容を示します。これが基本です。ここまではJISZ3021を読めばわかります。

わかりにくいのは,次の二つです。

① 開先が非対称である場合に,基線の上に書くのか,下に書くのか

② レ形開先やK形開先では開先のある側と開先のない側があるのでそれを区別する方法

① 開先が非対称である場合に,基線の上に書くのか,下に書くのか

X形開先では,上下に同じ記号が描かれますから迷うことはありません。V形開先やレ形開先では,板厚のある溶接母材の矢印を当てている側に開先を取るのか,矢印を当てている方の反対側に開先を取るのかで,記号を上に書くか,下に書くかがわかれます。

だから,どっちなんだ!

JISZ3021を読めばわかるだろうと思いますが,実は,JISZ3021を読んだだけでは絶対にわかりません。JISZ3021には「A法(第3角法)」と「E法(第1角法)」が併記してあって,どちらであるかによって上に書くか下に書くかが違うんです。第3角法と第1角法。中学校の技術の時間にちらっとだけ習ったような記憶がありますが,自分が書いている図面が第3角法・第1角法のどっちで書いているのかなど意識したことはありませんし,そもそも他人が書いた図面であればそれが第3角法・第1角法のどちらで書かれているかをどうやって見分けるのかもわかりません。勿論,見分ける方法はありますし,建築士たるもの第3角法・第1角法を意識して図面を書くべきです,という話は横に置いておいて,日本ではA法(第3角法)が一般的に用いられています(一般社団法人日本溶接協会のHPによる)。

そうだとわかれば,JISZ3021のA法(第3角法)のところを読めば,

溶接する側が矢の側(矢の手前側)のときは,基線の下側に記載する

と書いてあります。これが答えです。

② レ形開先やK形開先では開先のある側と開先のない側があるのでそれを区別する方法

V形開先では,溶接する両方の母材に同じ開先を取りますから区別はありませんが,レ形開先やK形開先では,開先のある側とない側があります。どっちに開先を取るかを問題としない場合は関係ないのですが,開先を取る側を指示したい場合の記述方法があります。JISZ3021に書いてありますが,わかりにくいです。

JISZ3021の6.3b)に「矢を折れ線とし,開先を取る面に矢印の先端を向ける」と書いてあります。まず,「矢を折れ線にする」ことが第1条件です。そして後半部分の意味ですが,矢印を開先のある側からあてるのかない側からあてるのかを書いたものなのですけど,「開先を取る面に矢印の先端を向ける」とは,「開先のない側からある側へ矢印を向ける」という意味です。そういう意味だと言われればそう読めると思います。

溶接記号はJISZ3021で定められていますからこれを見るのがもっとも確実なのですけど,JISが入手できない場合がありますから,溶接記号をわかりやすく紹介したHPとしては「機械製図・溶接記号(機械製図の基礎知識)」があります。





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_杭_

<第3角法・第1角法>

第3角法・第1角法は,正投影法と呼ばれる製図手法の,前方からの図,側方からの図,上方からの図をどの位置に書くかのルールを決めたものです。前方からの図を中心に考えた時に,第3角法と第1角法とでは,側方からの図,上方からの図の位置が逆になります。

第3角法・第1角法は,JISZ8315で規定されています。


このページの公開年月日:2014年7月11日