排煙緩和告示(屋外への出口のある居室)

<排煙緩和告示(屋外への出口のある居室)>

排煙告示の平成12年建設省告示第1436号が平成27年3月18日に改正され同日施行されています。

この改正で,特殊建築物でない用途(特殊建築物のうち宿泊のない児童福祉施設等は含まれる)で,直接に屋外に出ることができてそのまま道まで避難できる居室については排煙設備設置が免除されています(単純に出口のある居室を免除するものではありません。このページの末尾のQ&Aで解説します)。告示には距離の制限は規定されていませんが,同時に出された国住指発第4784号平成27年3月18日の技術的助言で居室内の歩行距離は10m以内が目安であることや出口から道までの通路についても留意事項として示されています。

告示改正検討時に出された「パブリックコメントの結果」が参考になります。告示と同時に出されている技術的助言はこれに基づいて記述されています。(この技術的助言の直前に出された通知ならHP上で公開されています。「事務連絡(平成27年3月7日)」の8ページ目です。)

改正条文は,次の通りです。

H12告示第1436号は第一号から第四号で構成されます。どの号に該当しても排煙設備設置義務が免除されます。その第四号にはイ号からニ号があって,そのいずれであっても排煙設備設置義務が免除されるもので,そのイ号の次に新しいロ号を追加しています。元のロ号,ハ号,ニ号はそれぞれ,ハ号,ニ号,ホ号になっています。追加されたロ号は次のものです。

ロ 避難階又は避難階の直上階で,次に掲げる基準に適合する部分(当該基準に適合する当該階の部分(以下「適合部分」という。)以外の建築物の部分の全てが令第126条の2第1項第一号から第三号までのいずれか,前各号に掲げるもののいずれか若しくはイ及びハからホまでのいずれかに該当する場合又は適合部分と適合部分以外の建築物の部分とが準耐火構造の床若しくは壁若しくは同条第2項に規定する防火設備で区画されている場合に限る。)

(1) 建築基準法別表第一(い)欄に掲げる用途以外の用途又は児童福祉施設等(入所する者の使用するものを除く。),博物館,美術館若しくは図書館の用途に供するものであること。

(2) (1)に規定する用途に供する部分における主たる用途に供する各居室に屋外への出口等(屋外への出口,バルコニー又は屋外への出口に近接した出口をいう。以下同じ。)(当該各居室の各部から当該屋外への出口等まで及び当該屋外への出口等から道までの避難上支障がないものに限る。)その他当該各居室に存する者が容易に道に避難することができる出口が設けられていること。

<この告示の読み方の解説>

この告示はとても読みにくいです。個人意見として〈排煙緩和告示(屋外への出口のある居室)のQ&A〉にまとめました。

告示追加条文(1)(2)に適合する部分がその階に混在している場合の扱いが複雑ですから,事例を想定して〈排煙緩和告示の事例検討〉その適用を解説します。

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告示改正をどうやって知るか

告示改正は,官報で出ますから官報をきちんと見ていれば建築基準法の告示改正を見ることができるとはいうもののほとんどの人は官報をもれなくみていたりはしないでしょう。普通の人が改正された告示の条文を見ることができるのは次の年の建築基準法を購入した時ということになります。告示の改正情報は国土交通省の建築指導課のHPに逐一載せてほしいものです。

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このページの公開年月日:2015年7月18日