<定期報告制度(2016年6月施行)>
2016年6月に施行される建築基準法改正で,法第12条の定期報告制度が大きく変更されます。変わるのは次の3点です。
<定期報告制度の改正内容(2016年6月施行)>
① 定期報告を必要とする建築物や建築設備の指定を,これまでは特定行政庁が指定するものだったことを,国が建築基準法施行令で指定できるようにする
② 定期報告をする調査者の資格の改正
③ 防火設備が建築設備として調査対象となることの位置付けとともに調査資格者の新設
<①報告対象の政令指定>
これまでは,定期報告を必要とする建築物や建築設備の指定を,法第12条第1項(建築物)と同条第3項(建築設備)で「~~特定行政庁が指定するもの」としていたため,各特定行政庁が独自に施行細則などで指定していました。
改正後は,「~~政令で定めるもの」が追加されています。「~~特定行政庁が指定するもの」も残っていますから,この法改正により,定期報告対象建築物が増えることはあっても減ることはないようです(この改正に合わせて特定行政庁が指定対象を縮小すれば別ですが,そのような特定行政庁はほとんどないと思います)。
└〈特定建築物の定義〉
└〈建築設備の定義〉〈建築設備等,特定建築設備等の定義〉〈政令で定める防火設備の定義〉
<②調査資格者の改正>
建築物と建築設備の定期報告は,その建物の所有者(または管理者)が報告するものですが,調査しなければ報告できませんから調査(建築設備の場合は検査)する人の資格条件が規定されています。改正前は,
- 一級建築士
- 二級建築士
- 大臣が定める資格を有するもの(施行規則第4条の20で規定される「特殊建築物等調査資格者」「昇降機検査資格者」「建築設備検査資格者」)
としていた3項目目を変更して,「建築物調査員」などの新しい資格に移行しています。改正後は,
- 一級建築士(改正なし)
- 二級建築士(改正なし)
- 大臣が交付する資格者証の交付を受けているもの(法第12条で規定される「建築物調査員」,「建築設備等検査員」)
となります。
- 「建築物調査員」の資格者証は,「特定建築物調査員資格者証」と「昇降機等検査員資格者証」の2種類あります(改正規則第6条の5第1項)。「建築設備等検査員」の資格者証は,「建築設備検査員調査資格者証」「防火設備検査員資格者証」「昇降機等検査員資格査証」の3種類あります(改正規則第6条の5第2項)。
- 従前の資格者が新たに試験を受ける必要はありませんが,平成28年6月以後に調査(検査)業務を行う場合は,申請して新しい資格に切り替えておく必要があります。
<③防火設備の位置づけ>
防火戸は建築物の一部ですから,これまでは,建築物の定期報告の調査項目に含まれるものとしていました。でも,煙感知など閉鎖機構が複雑ですから,建築物の調査からは切り離して,新しい防火設備検査員による検査で建築設備等に含めて報告するように改正されました。
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このページの公開年月日:2016年2月28日