<住宅用防災機器>(消防法第9条の2)
個人住宅においても住宅用防災機器の設置が義務付けられています。新築する場合には平成18年6月1日以後に着手するものから適用で,既存の住宅でも,平成23年6月1日から設置が義務付けられています。
適用時期は,市町村の条例で定めることになっていますから,自治体によって適用時期が異なりますが,平成23年6月1日には全国すべての自治体で適用になりました。
詳しくは,「総務省の「住宅防火関係」のHP」を見てください。
上記HPのとおりですが,簡単に解説します。
消防法第9条の2では,「住宅用防災機器」と表現されていて,消防法施行令第5条の6で,「住宅用防災機器」として,「住宅用防災警報機」と「住宅用防災報知設備」の2種類が挙げられています。前者の「住宅用防災警報機」が直径10cm程度の円盤形で天井に取り付けるものです。
住宅用防災機器の設置義務のある住宅:消防法第9条の2には「住宅に供される防火対象物(その一部が住宅の用途以外の用途に供される防火対象物にあっては住宅の用途以外の用途に供される部分を除く)」とされている。消防法で住宅とは何?ということを私は知りませんが,普通に考えて,戸建て住宅,長屋住宅,共同住宅でしょう。店舗併用住宅の住宅部分も含む
設置の義務者:消防法第9条の2に「関係者は」と規定されています。
設置する部屋:寝室。上階に寝室のある階段。居室が5つ以上ある階の廊下。
台所への設置義務を付加した自治体あり
住宅用防災警報機は,ホームセンターでも売っていますから,電池式を選べば個人で簡単に取り付けることができます。ホームセンターでは,「煙感知式」と「熱感知式」の2種類が販売されていますが,義務化されたのは「煙感知式」です。
ちなみに「熱感知式」は,台所につけるものです。
警報機の取付位置には,①壁から60cm以上放すこと,②エアコンの吹き出し口から150cm以上放すこと,などの条件もあります。
2015年7月時点の関係法令は次の通りです。
消防法第9条の2 住宅の用途に供される防火対象物(その一部が住宅の用途以外の用途に供される防火対象物にあつては,住宅の用途以外の用途に供される部分を除く。以下この条において「住宅」という。)の関係者は,次項の規定による住宅用防災機器(住宅における火災の予防に資する機械器具又は設備であつて政令で定めるものをいう。以下この条において同じ。)の設置及び維持に関する基準に従って,住宅用防災機器を設置し,及び維持しなければならない。2 住宅用防災機器の設置及び維持に関する基準その他住宅における火災の予防のために必要な事項は,政令で定める基準に従い市町村条例で定める。
(住宅用防災機器)
消防法施行令第5条の6 法第9条の2第1項の住宅用防災機器として政令で定める機械器具又は設備は,次に掲げるもののいずれかであって,その形状,構造,材質及び性能が総務省令で定める技術上の規格に適合するものとする。
一 住宅用防災警報器(住宅(法第9条の2第1項に規定する住宅をいう。以下この章において同じ。)における火災の発生を未然に又は早期に感知し,及び報知する警報器をいう。次条及び第37条第7号において同じ。)
二 住宅用防災報知設備(住宅における火災の発生を未然に又は早期に感知し,及び報知する火災報知設備(その部分であって,法第21条の2第1項の検定対象機械器具等で第37条第4号から第6号 までに掲げるものに該当するものについては,これらの検定対象機械器具等について定められた法第21条の2第2項の技術上の規格に適合するものに限る。)をいう。次条において同じ。)
(住宅用防災機器の設置及び維持に関する条例の基準)
消防法施行令第5条の7 住宅用防災機器の設置及び維持に関し住宅における火災の予防のために必要な事項に係る法第9条の2第2項の規定に基づく条例の制定に関する基準は,次のとおりとする。
一 住宅用防災警報器又は住宅用防災報知設備の感知器は,次に掲げる住宅の部分(ロ又はハに掲げる住宅の部分にあっては,総務省令で定める他の住宅との共用部分を除く。)に設置すること。
イ 就寝の用に供する居室(建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第2条第4号 に規定する居室をいう。ハにおいて同じ。)
ロ イに掲げる住宅の部分が存する階(避難階を除く。)から直下階に通ずる階段(屋外に設けられたものを除く。)
ハ イ又はロに掲げるもののほか,居室が存する階において火災の発生を未然に又は早期に,かつ,有効に感知することが住宅における火災予防上特に必要であると認められる住宅の部分として総務省令で定める部分
二 住宅用防災警報器又は住宅用防災報知設備の感知器は,天井又は壁の屋内に面する部分(天井のない場合にあつては、屋根又は壁の屋内に面する部分)に,火災の発生を未然に又は早期に,かつ,有効に感知することができるように設置すること。
三 前二号の規定にかかわらず,第一号に掲げる住宅の部分にスプリンクラー設備(総務省令で定める閉鎖型スプリンクラーヘッドを備えているものに限る。)又は自動火災報知設備を,それぞれ第12条又は第21条に定める技術上の基準に従い設置したときその他の当該設備と同等以上の性能を有する設備を設置した場合において総務省令で定めるときは,当該設備の有効範囲内の住宅の部分について住宅用防災警報器又は住宅用防災報知設備を設置しないことができること。
2 前項に規定するもののほか,住宅用防災機器の設置方法の細目及び点検の方法その他の住宅用防災機器の設置及び維持に関し住宅における火災の予防のために必要な事項に係る法第9条の2第2項の規定に基づく条例の制定に関する基準については,総務省令で定める。
(住宅用防災機器に係る条例の規定の適用除外に関する条例の基準)
消防法施行令第5条の8 法第9条の2第2項の規定に基づく条例には,住宅用防災機器について,消防長又は消防署長が,住宅の位置,構造又は設備の状況から判断して,住宅における火災の発生又は延焼のおそれが著しく少なく,かつ,住宅における火災による被害を最少限度に止めることができると認めるときにおける当該条例の規定の適用の除外に関する規定を定めるものとする。
(準用)
消防法施行令第5条の9 第5条の3及び第5条の5の規定は,法第9条の2第2項の規定に基づく条例の制定に関する基準について準用する。この場合において,第5条の3中「前二条又はこれら」とあるのは「第5条の7第1項又は同条第2項」と,「条例制定基準」とあるのは「法第9条の2第2項の規定に基づく条例の制定に関する基準」と,「火災」とあるのは「住宅における火災」と,第5条の5中「第5条若しくは第5条の2又はこれら」とあるのは「第5条の7第1項又は同条第2項」と,「定める条例制定基準」とあるのは「定める法第9条の2第2項 の規定に基づく条例の制定に関する基準」と,「火災」とあるのは「住宅における火災」と,「当該条例制定基準」とあるのは「当該基準」と読み替えるものとする。
広島市火災予防条例第30条の2 住宅(法第9条の2第1項に規定する住宅をいう。以下この章において同じ。)の関係者(住宅の所有者,管理者又は占有者をいう。)は,次条及び第30条の4に定める基準に従って,次の各号のいずれかの住宅用防災機器を設置し,及び維持しなければならない。
(1) 住宅用防災警報器(令第5条の6第1号に規定する住宅用防災警報器をいう。以下この章において同じ。)
(2) 住宅用防災報知設備(令第5条の6第2号に規定する住宅用防災報知設備をいう。以下この章において同じ。)
広島市火災予防条例第30条の3 住宅用防災警報器は,次に掲げる住宅の部分(第2号から第5号までに掲げる住宅の部分にあつては,令別表第1(5)項ロに掲げる防火対象物又は同表(16)項に掲げる防火対象物の住宅の用途に供される部分のうち、専ら居住の用に供されるべき住宅の部分以外の部分であつて,廊下,階段,エレベーター,エレベーターホール,機械室,管理事務所その他入居者の共同の福祉のために必要な共用部分を除く。)に設けなければならない。
(1) 就寝の用に供する居室(建築基準法第2条第4号に規定する居室をいう。第4号及び第5号において同じ。)
(2) 前号に掲げる住宅の部分が存する階(避難階(建築基準法施行令第13条第1号に規定する避難階をいう。以下この条において同じ。)を除く。)から直下階に通ずる階段(屋外に設けられたものを除く。以下この条において同じ。)の上端
(3) 前2号に掲げるもののほか,第1号に掲げる住宅の部分が存する階(避難階から上方に数えた階数が2以上である階に限る。)から下方に数えた階数が2である階に直上階から通ずる階段の下端(当該階段の上端に住宅用防災警報器が設置されている場合を除く。)
(4) 第1号及び第2号に掲げるもののほか,第1号に掲げる住宅の部分が避難階のみに存する場合であつて,居室が存する最上階(避難階から上方に数えた階数が2以上である階に限る。)から直下階に通ずる階段の上端
(5) 前各号の規定により住宅用防災警報器が設置される階以外の階のうち,床面積が7平方メートル以上である居室が5以上存する階(この号において「当該階」という。)の次に掲げるいずれかの住宅の部分
ア 廊下
イ 廊下が存しない場合にあっては,当該階から直下階に通ずる階段の上端
ウ 廊下及び直下階が存しない場合にあっては,当該階の直上階から当該階に通ずる階段の下端
2 住宅用防災警報器は,天井(天井のない場合にあっては,屋根。この項において同じ。)又は壁の屋内に面する部分の次に定める位置に設けなければならない。
(1) 天井の屋内に面する部分に設ける場合にあっては,壁又ははりからの距離が0.6メートル以上の位置
(2) 壁の屋内に面する部分に設ける場合にあっては,天井からの距離が下方0.15メートル以上0.5メートル以内の位置
3 前項の場合において,住宅用防災警報器は,換気口等の空気吹出し口から,1.5メートル以上離れた位置に設けなければならない。
(第4項以下,省略)
[ckckaisetsu1]
<参考>
住宅用防災警報機の値段:1個約2000円
<関連情報>
〈住宅用防災機器〉
〈指定建築材料〉
〈鋼杭の法適用〉
〈各主要構造部の構造方法(耐火構造・防火構造・不燃材など)〉
[chouritsulink]
[ckckaisetsu2]
このページの公開年月日:2012年6月