32年前の粗雑工事で和解

<32年前の粗雑工事で和解>

2月4日の地方新聞に,1980年に建設された建物の粗雑工事で工事をした建設会社と建築主との間で和解が成立したことが報道されています。

報道によれば,2012年にこの建物を耐震診断したところ,設計とは違う工事がしてあって,余計な耐震補強が必要になり,その補強工事分を請求していたもので,それについて和解が成立したそうです。

和解金額は公開されていませんからわかりませんが,建設会社が何割かは支払わないと成立しませんからそうなんだと思います。

違う工事とは,鉄骨の柱はり接合部の溶接方法が設計とは違っていたとされていて,その結果,強度が低下していたとなれば,はりフランジの溶接が完全溶け込み溶接でなければいけないところが隅肉溶接になっていたことが想定できます。でも,さすがに,そんなことはしないと思うのですけど,それ以外には思いつきません。

建設会社は,時効による損害賠償責任の消滅を主張していたようですが,最終的に和解を選択しています。

世の中は,30年も前に建設された建物の粗雑工事の責任が問われるんですね。怖いことです。

<参考>

建築物:広島市西区の㈱アスティの本社ビル

施工者:三井住友建設

裁判での請求金額:約3億7000万円(和解金額は報道されていない)

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